バイクを操る楽しさをZ650で再確認
ワインディングを走るのが楽しそうなZ650で、群馬県の上毛三山を巡る。右に左にヒラリヒラリと、とても軽快で、Z650で走るワインディングは想像以上に楽しかった
最初にやって来たのは赤城山だ。まさにザッパー! 走りは軽快そのもの。なにせ車体を操作する感覚が軽い。車両重量も187kgと軽いのだが、他社の同排気量同カテゴリーと比較すると特筆すべき数字ではない。特筆すべきは体感重量で、これがかなり軽い。ワインディングをヒラヒラと走る時、サイドスタンドをはらって車体を起こす時、取りまわす時など、何かしら車体を操作する時の体感重量がかなり軽いのだ。
この効果は、マスの集中から得られるもので、Z650は、リヤショック取り付け方法やサイレンサーの配置などを工夫することでマスの集中が徹底されているのである。ルーツといえるER-6nもマスの集中が徹底され、体感重量はかなり軽かったが、Z650はさらに輪をかけて軽くなった印象だ。
この軽さは絶大な安心感につながるのだが、タイヤの接地感がシートを通じてライダーにリアルに伝わって来るので、さらに安心感が高まる。
1日目を終えるころには、すっかり日が暮れた。午前4時半過ぎに編集部を出発して、宿に到着したのは午後7時半過ぎ。かなりの長時間走行だが、走る余力がまだ十分に残っていた
ライディングポジション
ステップ、シート、ハンドルの位置関係は窮屈でなく、遠くもない絶妙のバランス。シート下周辺の車幅が狭く、足が真下方向に下ろすことができ、かつシート高が低いので足着きはとてもいい。シート高は、ルーツモデルのER-6nが805mmに対して、Z650は790mmと低い
引き起こし
僕はジムに通って体を鍛えているわけでも、日々アスリート並みにスポーツに没頭しているわけではない。運動といえば、自宅から最寄りの駅まで5〜10分くらい自転車に乗っているくらい。そんな怪力とは無縁の僕でも、Z650を起こすのはハッキリ言って何の苦労もなし!
取りまわし
これは軽い! かなり軽い! 650ccクラスのバイクとは思えないくらい軽い! しかもグリップ位置は車体を支えやすい位置にあるので、取りまわしは、かなり楽。身長、性別に関係なく、おそらく多くの人が、取りまわしをしやすいのではなかろうか
最近のカワサキ車に採用されることが多い、ひし形に似た形状のミラー。このミラーは、後方を映し出す範囲が適正で、斜め後方、すぐ後ろ、遠くを確認しやすい。Z650も映す範囲はいいのだが、車体設計の都合上、ミラーの位置がライダーに近すぎるので、視線の移動が大きい