ヨシムラ
最強の走りを追求するというコンセプトは健在!

高速道路での走行は安定のひと言。パワフルなエンジンはシフトダウンしなくても容易に前車を追い越してくれる。ただツーリングに使うとなると積載性がゼロに等しいのでライダーが荷物を背負っていくなどの工夫が必要
緊張しつつスタート。「あれ?」。低回転域でのトルクの立ち上がりがスムーズだぞ。これは想定外だ。しばらく走り、気のせいじゃないことを確認すると、最初の休憩ポイントで編集部の井田さんに伝えた。すると「ニンジャH2 SXの技術がフィードバックされているからです」という返事が返ってきた。調べてみると扱いやすさを重視したニンジャH2 SXのバランス型スーパーチャージドエンジンからのフィードバックを受けて、エンジンの効率を高めているという。主要パーツの多くをニンジャH2 SXと共通化した結果、パワーアップしつつ燃費性能は従来モデルとほぼ同じとも。それらの改良の結果、低中回転域で扱いやすくなっていると考えられる。そうはいってもニンジャH2カーボンとニンジャH2 SXは基本的にコンセプトが異なるモデル。ニンジャH2カーボンはよりパワフルでスプリンター的なキャラクターなので、大きくアクセルを開けたときの感覚はまったく違う。ニンジャH2カーボンのパワーが一気に盛り上がるフィーリングは、初代同様かそれ以上で、異次元の加速を味わわせてくれるのだ。決して大人しくなったわけではなくジャジャ馬感は健在だった。
とはいえ街中を走る時に常用する低中回転域が扱いやすくなったというのは普段使いでプラスに働く。以前よりもギクシャクせずにストリートを走ることができた。
またフロントのブレーキキャリパーがブレンボのスタイルマに変わったことも、進化したポイントの一つ。効き自体は初代も十分コントローラブルだったが、レバーをにぎった時のレスポンスや冷却性の向上などのメリットがある。実際それを体感するシーンは少ないかもしれない。しかし史上最強レベルのエンジンパフォーマンスを持つバイクなので、いざという時のためにブレーキシステムも最上級のモノを装備していてほしいと思うのは自然な感覚だ。
防風性

カウルはカワサキの航空宇宙カンパニーが持つノウハウを活かして造形。思いきり伏せても低めのスクリーンからライダーがはみ出るが、風から完全防御するツアラーとは異なりライダーの姿勢込みで整流効果が考えられているため問題はない
クラッチ操作性

急激なシフトダウンなどで強いエンジンブレーキがかかったときにリヤタイヤへのバックトルクを逃す、アシスト&スリッパ―クラッチを採用しているのでクラッチ操作は比較的軽め。ブレンボ製マスターシリンダーによる動きもスムーズだ
ヘッドライト照射性
シート快適性

シートはやや薄めだが居住性は悪くなく体重移動しやすい形状。伏せるために腰を引くとサイドのサポートが支えてくれ、強烈な加速時には後部のサポートパッドが有効となる。よく考えられた造形だ。ヒップサポートは前後に調整可能
車載工具
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横田 和彦
1968年6月生まれ。16歳で原付免許を取得。その後中型、限定解除へと進み50ccからリッターバイクまで数多く乗り継ぐ。現在もプライベートで街乗りやツーリングのほか、サーキット走行、草レース参戦を楽しんでいる。