ヨシムラ
少しくらいの疲労と痛みは、スーパースポーツに乗る喜びで払拭しろ
このライディングポジションで、1000㎞走るのか…。グリップ位置が低いセパレートハンドルとシート位置が高く薄っぺらなシート、前傾姿勢のために上目づかいにならざるを得ない頭の角度など、疲労をまねくであろう多くの前兆を感じ、出発を前にしてやや気持ちが沈む。
ライディングポジション
Ninja ZX-6Rはパワーモードセレクションの機能が装備されていて、フルとローのパワーモードが選択できる。編集部を出発する時、セレクトしたパワーモードはフル。俺が乗るNinja ZX-6Rは最高出力129㎰のスーパースポーツということで、突発的に“ドン!”と発進することを予想した。
しかしながら発進は非常にスムーズ。スロットル操作に対してしっかりとエンジン回転は付いてきているのだが、そのツキは敏感すぎず、自分の意思にエンジン回転が付いてきているといった感じだ。
高回転域までの吹け上がりはよく、1万3000rpmまでは天井知らずに加速していく。Ninja ZX-6Rは恐ろしいほどの高回転型エンジンで、リミッターは1万6000rpmで作動する。1万3000rpmから1万6000rpmまでは、1万3000rpmまでと比べてややエンジン回転の伸び悩み感があるものの、それでもやっとリミッター作動回転数に達するのではなく、エンジン回転の上昇中にスパン!とリミッターが作動する。
エンジンの吹け上がりと加速を楽しみながら高速道路を移動するのは楽しいのだが、那須高原SAで2回目の休憩をするころには、腰に疲れを感じるようになった。でも、30分ほど休憩すると、腰の疲れもすっかり取れて、高速道路から下りる猪苗代磐梯高原ICまで快適に走行した。
この企画では、せっかくツーリングに出かけるのだから、数少ないながらも立ち寄ったお勧めスポットを紹介する。一つ目のスポットである殺生石(栃木県)を訪れるには、100mほどのジャリ道を走ることとなる。さっそく試した機能がカワサキトラクションコントロール(以下、KTRC)だ。試したのはモード3で、スロットルを急に開けると、点火カットしているかのようにバッ!バッ!バッ!とエンジン音が発し、リヤタイヤの回転をエンジンがコントロールする。だからといって、そんなにすばらしい走り方をしているわけではないのだが、電子制御機能の片りんを感じた瞬間だった。