ヨシムラ
環境の変化にも対応するタフなスーパーチャージド・ツアラー
高速道路もウェットである。ハイスピードで走るには緊張感がともなう状況だ。しかしNinja H2 SX SEは濡れた路面など関係ないといった風情で安定しながら加速していく。前後タイヤの接地感もしっかりと伝わってきて、車線変更もスムーズに行なえる。とにかくあらゆる速度域でライダーに不安を感じさせないのだ。
そこで試しにギヤを落としスーパーチャージャーの効果が明確に感じられる回転域まで上げてみる。すると過給機エンジン特有のトルクの伸びを見せながら車速が上がっていく。交通量が多かったこともあり、そこそこでやめておいたが、雨中の高速でも羽ばたくような爽快な加速感と、ツアラーらしい安心感を体験することができた。
過去にも何度かNinja H2 SX SEを試乗したことがある。それは晴れた日、距離も100kmそこそこだ。今回のように、2日で1000kmを走るのは初めてのことだ。しかも、今回はスタートが“冬の雨”という決してよいコンディションではなかったので、期せずして旅の前半で季節や気候を問わず走る、タフなロングツアラーの素質が確実に備わっていることを実感することができた。
ツアラーとしての実力も十分。頼もしい旅のパートナー
高速道路を走っていると天気予報が当たり天候が回復してきた。しかし、路面は濡れたところと乾いたところが両方ある不安定な状況。そんな時でも不自然な挙動を起こさないのは、電子制御システムが影で活躍しているからだろう。
その恩恵は高速道路を降りてワインディングロードに入ってからも続く。LEDコーナーリングライトの撮影をするため、街灯のない峠道を走ったときだ。ヘッドライトの明かりのなかに現れる路面は、雨の影響でところどころ濡れている状態。先が見えないタイトコーナーではストレスがたまる。そんな路面状況でも車体の動きは安定していて、コーナーリングアングルが乱れることがなかった。
ライディングポジション
ミラー後方視認性
取りまわし
グラブバー
引き起こし
乗り降り
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横田 和彦
1968年6月生まれ。16歳で原付免許を取得。その後中型、限定解除へと進み50ccからリッターバイクまで数多く乗り継ぐ。現在もプライベートで街乗りやツーリングのほか、サーキット走行、草レース参戦を楽しんでいる。