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ヨシムラ

各種電子システムが旅を支えてくれる

Ninja H2 SX SEは、IMU(慣性計測装置)からの情報をもとにしたトラクションコントロールやABSなどにより車体の動きを的確に制御し、不安定な路面状況でもいたって普通に走らせてくれる。それらによってライダーはどれだけ助けられるか。電子制御システムと聞くと反射的に拒絶する人もいるが、今では街を走るほとんどのクルマにも採用されている技術だ。性能も向上し、ライダーに違和感を覚えさせるような介入の仕方もしなくなった。そもそもロングツーリングでは見知らぬ土地をどんな天候で走るか想像がつかない。それを影でサポートし、旅を充実したものにしてくれるのだからありがたい存在だといえよう。

2018年モデル Ninja H2 SX SE(ZX1002BJF) 市街地走行

H2 SX SEのスーパーチャージド・エンジンは低回転域から自然なパワーフィーリングなので、市街地も余裕を持って走れる。混雑した道でもギクシャクすることはない

ツーリング中、とくに便利だと感じた機能の一つがシフトアップのみならず、ダウンにも対応しているクイックシフターだ。最初はおもしろがって使っていたのだが、操作が単純化するので疲れにくいことが判明した。また、高速道路ではクルーズコントロールの効果も高い。希望する速度で左スイッチボックスのボタンを押すと、その速度で走り続けてくれる。+、−ボタンで設定速度の微調整が可能で、ブレーキ操作で解除される。これも最初はゲーム感覚で楽しんでいたが、明らかに疲労を軽減してくれる。それらの効果もあって今回の1000kmはアッという間に走り切った印象で、いつもよりも疲れも少なかった。

まとめ

現在のカワサキには大型4気筒ツアラーが多数ラインナップされている。長距離を乗って感じたのは、どれにも明確な個性があること。軽量でダイレクトなハンドリングを持ち、自らの手で高い運動性能を引き出す喜びがあるNinja 1000、巨大な船に乗っているような絶大なる安心感と、超安定した巡航性能を持つNinja ZX-14R、そして量産過給機エンジンが持つ爽快な加速感をリアルに味わわせてくれるNinja H2 SX SE。それぞれが実によい独自性を持っている。今後の楽しみは卓越した走破性能をほこるVERSYS 1000 SEだ。カワサキの大型4気筒ツアラー構想はとどまるところを知らない。

2018年モデル Ninja H2 SX SE(ZX1002BJF) 二人乗り走行

タンデムしても車体姿勢はくずれない。さらに積載重量が増す場合はリヤショックのプリロード調整をするが、タンデムステップ部にリモートアジャスターがあるので調整は容易

たそがれ度
2018年モデル Ninja H2 SX SE(ZX1002BJF) スタイル

アイドリングでも響き渡る金属音が、並のバイクではないことを主張する。そのパワーユニットを搭載する車体やカウルデザインなど、すべてにプレミアム感がある。見ているだけで、今の時代にしか生まれ得なかったマシンとの出会いに感謝したくなる

シート快適性
2018年モデル Ninja H2 SX SE(ZX1002BJF) シート快適性

座面は広めでクッション性も高く非常に快適。長時間ライディングしていても疲れにくく、1,000km走りきっても痛みはなかった。足着きも考慮した形状でありながら前後へ動けるのもうれしい

ヘルメットホルダー
2018年モデル Ninja H2 SX SE(ZX1002BJF) ヘルメットホルダー

キーロック式のヘルメットホルダーを装備。ヘルメットのDリングを引っかけるだけなので、短時間の駐車でも気軽に使える。タンデムも想定されてるバイクなので左右にあるともっとよかったのだが

燃費
2018年モデル Ninja H2 SX SE(ZX1002BJF) 燃費

高速道路を100km/hで走った時は驚きの数値をマーク。過給圧が大きくかからない速度だったことが好結果につながったようだ。その後、加減速ある走行ではやや落ちたことを記しておこう。一般道では270kmを超えたところで燃料計が点滅しはじめ、それから65kmほど走ったところで完全にストップした

高速道路 23.97km/ℓ
一般道路 17.75km/ℓ
ガソリン満タン航続距離 337.4km

Ninja H2 SX SE

2018年モデル Ninja H2 SX SE(ZX1002BJF) 試乗インプレッション

燃費性能の両立を目指して開発されたスーパーチャージド・エンジンは998ccから200psを発生。低中速回転域を重視した出力特性としてストリートでの使い勝手を高めている。タンデムやパニアケース装着に対応したトレリスフレームを採用。前後サスペンションはフルアジャスタブルとなっている。

2018年モデル Ninja H2 SX SE(ZX1002BJF)

H2 SXとH2 SX SEの価格差は約40万円。基本スペックは同じなので純粋に装備による差だ。ここの判断基準は自分にはどこまで必要かということ。どちらを選んでも世界に類を見ない過給機エンジンのフィーリングを味わえるのだから

Ninja H2 SX SEの主なスペック

年式 2018年モデル
全長×全幅×全高 2,135×775×1260(mm)
軸間距離 1,480mm
シート高 820mm
車両重量 260kg
エンジン型式・排気量 水冷4ストローク DOHC 4バルブ 並列4気筒・998cm3
最高出力 147kW(200ps)/11,000rpm
最大トルク 137N・m(14.0kgf・m)/9,500rpm
燃料タンク容量 19ℓ
タイヤサイズ (F)120/70-17 (R)190/55-17
価格 220万円(税抜)

EICMA 2017速報。ニンジャH2のツアラー版やZ900RSのカフェレーサー版などが発表に!

問い合わせカワサキモータースジャパンお客様相談室
電話番号0120-400819 ※月〜金曜 9:00〜12:00、13:00〜17:00(祝日、当社休日を除く)
URLhttps://www.kawasaki-motors.com/mc/
横田 和彦

1968年6月生まれ。16歳で原付免許を取得。その後中型、限定解除へと進み50ccからリッターバイクまで数多く乗り継ぐ。現在もプライベートで街乗りやツーリングのほか、サーキット走行、草レース参戦を楽しんでいる。




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