ヨシムラ
ツーリング先で起きたトラブル例と解消法
ツーリング先などで愛車にトラブルが発生すると誰でも焦る。しかしトラブルの解消法を知っていれば必要以上に慌てなくてすむ。そこで今回はウエマツに問い合わせがくる事例のなかからいくつか紹介しよう。
クラッチトラブル
【症状】
エンジンがかかっているときにクラッチの切れが悪くなる/ニュートラルに入りにくい/ギヤチェンジの際に抵抗が大きくなる。
【原因】
ワイヤー自体の伸びやアジャスター部の緩みなどにより、クラッチが切れなくなっている/ワイヤーがほつれて切れかかっている/エンジンパーツの熱膨張、オイルが劣化するなど複合的な要因/レリーズ系の部品が劣化/パワーレバーなどへの交換で動きが変わったなど。そのままにしておくと、停車時にクラッチを握っていてもアイドリングしなくなってしまう。
【対処法】
エンジンを冷ます/クラッチレバーのアジャスターを調整する/ワイヤーがほつれていたり、レリーズ部が劣化している場合はできるだけ早く交換する/レバーをノーマルに戻す、などを試してほしい。
エンジントラブル
走行中に突然エンジンが止まってしまいかからなくなる。これはベテランでも焦る症状だ。原因追求フローチャートの流れに沿って原因追求することをお勧めする。
【まず冷静になる】
これは重要。焦ると単純なことも見落としてしまう。実はベテランほど陥りやすい。
【キルスイッチの確認】
【ガソリンの残量と燃料コックの位置を確認】
透明なフューエルフィルターを装着している場合は内部にガソリンが流れているかを見る。
【キーをオンにしてインジケーターランプが点くか】
ここでヒューズ切れやバッテリー上がりの確認をする。
【セルは回るか、キックがスムーズに降りるか】
ここまでやって再始動しなかった場合は、ライダーのスキルによって対応が異なってくる。不安な場合は専門店に連絡してみよう。
トラブルに備えることで絶版車ライフを充実させる
新品の電装系でトラブルの原因を減少
絶版車のトラブルの原因になりがちなのが古いメインハーネスやイグニッションコイル、CDIなど。古くなると突然壊れてしまうこともある要注意部位なのです。それらを新品に交換しておくとトラブルの発生自体を減らすことができるほか、トラブルの原因を探るときの絞り込み作業もより早くできるようになります。(ウエマツ整備士)
横田 和彦
1968年6月生まれ。16歳で原付免許を取得。その後中型、限定解除へと進み50ccからリッターバイクまで数多く乗り継ぐ。現在もプライベートで街乗りやツーリングのほか、サーキット走行、草レース参戦を楽しんでいる。