ヨシムラ
バイクの血管的存在。不具合の影響は大きい
メインハーネスは外部からは確認しずらい。それでいて長い目で見れば消耗品ということになる。
メインハーネスのトラブルで起こりがちな症状としては
- ライトやウインカーが点かない
- 始動性が悪い、またはかからない
- ヒューズが切れる
- バッテリーが上がりやすい
など電気に関すること全般にわたります。
こう語るのはウエマツの岩田整備士。こういったトラブルが発生した場合、ライトやウインカーなど末端のパーツを疑いがちだが、チェックしていくと最終的にハーネスにたどり着いたということもめずらしくないと付け加えた。
「主な原因は時間が経過したことによる劣化です。旧車なら避けられないことかもしれません。また、劣化により硬化した配線がハンドルの動きに追従できず、折れてしまうこともあります。バイクのメインハーネスは狭いスペースに押し込まれているので、そんなトラブルも起きやすいのです。あとはカプラーやギボシが熱を持ち、焦げたり変形して電気が流れなくなることもあります」
電装系の要だけに早めに対処したい
解決法でベストなのは新品交換とのこと。メインハーネスは何本もの配線が束になっているので、そのなかから断線した1本を探すのは非常に難しい。もしうまく見つかって直せたとしても、別のところがトラブルを起こす可能性も高い。
「だから旧車の場合、交換したほうが安心度がはるかに高くなるんです。メインハーネスを新品にしたら『始動性が向上した』『ライトが明るくなった』という話もよく聞きます」
不安のないバイクライフを送るためにも、メインハーネスは早めの交換をおすすめしたい部分だ。
メインハーネスが欠品車種も心配なし
Zは年式や仕向地によって配線の数やコネクターの形状が異なる場合がある。また不人気車の場合はメインハーネスが市販されていないことも。「そんな場合でもノーマルのハーネスを預けていただければ同じものを作れます」とウエマツの岩田氏は語る。そのときアクセサリー用の配線を追加することもできる。ウエマツでは過去に作ったハーネスを在庫している場合もあるそうだ。
横田 和彦
1968年6月生まれ。16歳で原付免許を取得。その後中型、限定解除へと進み50ccからリッターバイクまで数多く乗り継ぐ。現在もプライベートで街乗りやツーリングのほか、サーキット走行、草レース参戦を楽しんでいる。