ヨシムラ
トラブルが起きると走りに大きな影響が
フロントフォークの内部には、衝撃を吸収するスプリングと、その動きを抑制するオイルが入っている。長期間オイルを交換しないと、オイルが劣化して動きが不安定になる。そのまま放っておくと路面の凹みでフォークが一気に沈み込んでバランスをくずし、最悪転倒につながることもある。その不安定さを解消する方法として、オイルを交換することが挙げられる。ただし、長期間オイルを換えていない場合、フロントフォークをオーバーホールして内部に蓄積した汚れをこすり落とさなければならない。
また、旧車でよくあるのはオイルシールの破損によるフォークオイル漏れだ。オイルシールの劣化やインナーチューブのサビが主な原因で、そのままにしておくとフロントフォークが機能しなくなるばかりか、オイルがブレーキに付着し効かなくなることもある。オイルシールを交換すればオイル漏れは解消するが、インナーチューブがサビていたり、キズが付いていると再発するので、そちらも交換しよう。新品が出ない場合は再メッキという方法がある。かなり状態が悪いものでも復活するし、費用も新品購入プラスアルファ程度なので活用したい。
持っている性能を十分に引き出し、安心して走る
ハンドルの動きが悪いのは、ステムベアリングにサビや凹みが発生している可能性が高い。これも消耗品なので、定期的にグリスアップしたり交換したりしたい。新品のボールベアリングの他、耐久性が高いテーパーローラーベアリングを選ぶ手もある。
定期的にメンテナンスをほどこし、快適な旧車ライフを楽しもう!
オーバーホール時にドレスアップと性能アップを楽しむ
アウターチューブのバフ掛けは右の写真でも紹介した。ドレスアップ効果は高く、見栄えはかなりよくなる。さらに性能を高める方法として、強化スプリングやイニシャルアジャスターに交換したり若干高価ではあるが、インナーチューブにチタンコートをほどこす方法もある。「抵抗を減らし動きをよくして乗り心地を高めます。高価な社外品に換えなくても性能アップできますのでご相談ください」
横田 和彦
1968年6月生まれ。16歳で原付免許を取得。その後中型、限定解除へと進み50ccからリッターバイクまで数多く乗り継ぐ。現在もプライベートで街乗りやツーリングのほか、サーキット走行、草レース参戦を楽しんでいる。