現代のメーターはスピードやエンジン回転数を表示するだけではない。電子制御システムをコントロールする役割もある。多くの電子制御システムを搭載したNinja H2 SX SE+(2020)を例に操作内容を見てみよう。
手軽にセッティング変更できるメリットは大きい
電子制御システムの進化にともない、メーターは電子制御の切り替え用モニターも兼ねるようになった。メーカーや車種によって操作が異なるので、最初のうちはマニュアルを見ながらの操作になるかもしれない。
Ninja H2 SX SE+(2020)の場合は左右スイッチボックスのスイッチで操作するのだが、何度か操作しているうちにコツがつかめてきた。やれることが多いのですべてを試すのは時間がかかったが、一度気に入った設定が見つかればそのままという部分もある。ともあれ手元で設定が変えられるというのはメリットが多い。今後はさらに多くの車種に広がっていくだろう。
4種類のディスプレイモード
写真4番目以外はスポーツモードで、スロットルの開け具合やブレーキの作動状況、ブースト状況などが、視覚的に確認できる。4番目はツーリングモードで、スポーツモードよりも豊富な情報を表示する
RESETボタンを押して背景色を反転させることができる。この画像は上のレイアウトでいえば一番最初のディスプレイモードで背景色を反転させたもの
遊び心がある表示として、走行歴において最大バンク角を表示する機能がある。MAX LEANがそれで、過去にどれだけ車体を傾けたかが判明する
セッティング画面
メニューモードでは、設定できる機能が一覧表示される。一番上の項目は車両の細かい設定ができるビークルセッティング。設定できる内容の一部を以下で解説しよう
ビークルセッティングの項目例。コーナリングライト、イモビライザー警告灯、ライダーモードのON/OFF、シフトアップインジケータのON/OFFおよび作動回転数の設定、KECSプリロードモードの微調整、KQS(クイックシフター)のON/OFF
スピードの単位を㎞/hとマイル、温度の単位を℃と°Fから選べるのは多くの国で発売されるバイクだから。日本では㎞/hと℃にしておけば問題ない
シフトアップインジケータの点灯タイミングは250rpm刻みで設定できる。設定範囲の表示から、設置範囲は3,000rpm〜1万2,000rpmということがわかる
ここで速度表示の単位を変えると、速度計のみならず燃費の表記も変わる。法定速度で走っているつもりが速度オーバーということにもなりかねないので注意
日付の設定や表示形式、時計をあわせたり、表示(12 or 24時間)を変えたりする細かい項目も設定できる。このあたりは一度設定すればそう変えるものではない
試乗モデル/2020年モデル Ninja H2 SX SE+

200㎰を発揮するスーパーチャージドエンジンの性能を、ツーリングユースで十分に発揮させるため、数多くの電子制御システムが搭載されている。カワサキが誇る高い技術力が総動員されたマシンで、先進の電子制御システムを体感した
横田 和彦
1968年6月生まれ。16歳で原付免許を取得。その後中型、限定解除へと進み50ccからリッターバイクまで数多く乗り継ぐ。現在もプライベートで街乗りやツーリングのほか、サーキット走行、草レース参戦を楽しんでいる。