今日はどこまで走ろうか

日ごろはミュージシャンとして活動をしている落合みつを氏が、愛車W800に乗って日本を旅する道中に体験したことなどを語る連載企画

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ヨシムラ

山口県は下関を、日本海に沿って走れば見えてくるエメラルドに輝く景色。角島が見えたら大興奮。見応えたっぷりの角島大橋は、バイク乗りが求める絶好スポットだった。

萩からでも福岡からでも、どちらからの道もよし

晴天穏やかな風のなか、九州の福岡方面からバイク仲間とともに関門トンネルを潜って下関に入り、向かった先は特牛(こっとい)の先にある角島だ。日本海に面してたたずむその島には多くのバイク乗りとドライバーが訪れる。目的はいろいろあるだろうが、やはり一番は天空に架かるように見える角島大橋と海との景観だろう。橋の入り口には多くの観光客が集まり、おのおのが気に入った場所で写真を撮っている。数多くのコマーシャルでも起用されてきた角島大橋は丘に上がって眺めるのも壮観なのだが、やはりなんといっても橋を渡りながら感じる“海の上を走る”ことの臨場感だろう。

本土から40㎞/h制限を守りつつ、ゆるくアクセルを開ける。鼻孔に飛び込んでくる潮の匂いでガス欠気味の心を満たしながら、海の景色を味わう。角島大橋は他の橋と違って欄干が低く作ってあるので見える景色が抜群にいい。視界を遮るものがないと、生々しい景色に心が吸い込まれていく。ゆっくりと波打つ潮の境目がわかる。波が照り返す太陽の粒、心に積もった日々の埃を溶かしていく最高の瞬間だ。高揚した気持ちを抑えられず、思わず声を上げていたのは筆者だけではなかったらしい。それを知り、バイク仲間と角島の道の駅で休憩しながら談笑した。

さて、唐突だがバイクツーリングの魅力とは何か。それは“独り”でありながら“共に居る”ことではないかと筆者は思っている。“個”でありながら同伴する者たちと“同じ感覚”を共有することの楽しさ。ときには疲れ具合などを考え、思いやりながら同じ場所を目指してバイクを駆る。どこか恋愛に似ている気がするのは言い過ぎではないだろう。

ココに寄っとけ

ポストギャラリー レトロ

ポストギャラリー レトロ現存する郵便局の中で、日本最古の洋風建築物であるポストギャラリーレトロ。レンガ造りの建物で、明治の開港から下関が海外文化の入り口になっていた証だ。喫茶店もあり、ライブも行なっている。筆者も出演した。

落合 みつを

シンガーソングライター。新潟県出身。2004年メジャーデビュー。世界初の分解ギターをヤイリギターと製作する。現在、愛車W800との旅をウェブ TVで世界配信中。全国コミュニティFM7局放送中『今日はどこまで歩こうか?』詳しくは公式HPインフォメーションにて
http://information.mitsuwo.com
Web TV『落合みつをの今日はどこまで走ろうか?』
http://www.mitsuwo.com/




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