ヨシムラ
2017年のEICMA(ミラノモーターサイクルショー)で発表されたブレンボ製の高性能ブレーキキャリパーがStylema(スタイルマ)。最高峰のスポーツモデルに向けた軽量・コンパクトな対向4ポットキャリパーである。その内容とフィーリングを解説する。
高機動性を支える至高のタッチとコントロール性
MotoGPでも使われるブレンボが、量産車向けに開発した最高レベルのキャリパーがStylema(スタイルマ)だ。ボディ剛性はそのままに、従来のキャリパーよりも小型軽量化。レバーをにぎった時のレスポンス向上や冷却性の確保など、あらゆる面で最高峰のキャリパーにふさわしい仕上がりだ。
はたしてそのフィーリングはいかに。ご存知のとおりブレーキはマスターシリンダーやパッド、ディスクローターなど多くのパーツによって構成されている。そのためキャリパーだけで判断できないが、ニンジャH2 SX SE+のブレーキシステムが絶品であることは間違いない事実だ。理由の一つは制動力が強力でありながら扱いやすいということ。ブレーキレバーを必要以上に強くにぎらなくても車重があるリッターバイクを安全に減速し、スムーズに止めることができるのだ。そのため精神的な余裕も持つことができる。
またコントロールの幅が一般的なバイクよりはるかに広いこともメリット。指にジワッと力を入れると瞬時に反応し、パッドとローターが触れる感触が伝わってくるよう。それによってコーナー進入時の車体姿勢や速度の微調整などが容易になる。ブレーキは確実に止まるだけではなく、積極的に走る時にも活用できることがスタイルマを装備したブレーキシステムから感じられる。
試乗モデル/2020 Ninja H2 SX SE+
横田 和彦
1968年6月生まれ。16歳で原付免許を取得。その後中型、限定解除へと進み50ccからリッターバイクまで数多く乗り継ぐ。現在もプライベートで街乗りやツーリングのほか、サーキット走行、草レース参戦を楽しんでいる。