ヨシムラ
近年のカワサキ車に多く採用されているアシスト&スリッパークラッチは、レースシーンからのフィードバックテクノロジーだ。軽くスムーズな操作性があり、過度のエンジンブレーキが発生した際にはクラッチの圧着力を減少させ、バックトルクを逃がしてリヤタイヤのホッピングやスリップを抑止する機構である。仕組みとしては、クラッチ機構に設けられたアシストカムによるセルフサーボ効果、スリッパーカムによる作用の両立が新しい。
80年代のスリッパークラッチ
近年こそ認知度の高まったスリッパークラッチだが、その仕組みや考え方としてはすでに存在していた機構で、カワサキでは80年代より必要に応じて採用していた。採用モデルは大まかに2種類、一つはシャフトドライブ機構とワイドタイヤを装備するエリミネーターやバルカンシリーズなど、もう一つは1989年式ZXR750に端を発するスーパースポーツモデルとなる。ねらいどころは今日のスリッパークラッチと同様、リヤタイヤのホッピングの抑制である。