ヨシムラ
カワサキは2019年の鈴鹿8耐において、26年ぶりとなる悲願の優勝を遂げた。まれに見る激戦を勝利した要因としては、ライダーのパフォーマンスやチームマネージメントなど、さまざまな要素が連動し、もちろんNinja ZX-10RRのたぐい稀な高性能もその勝利に大きく貢献している。
世界を制した性能が灼熱の8時間を席捲
2019年の鈴鹿8耐に、カワサキは2018年までのカワサキチームグリーンではなく、カワサキレーシングチーム スズカ 8H(以下、KRT)のワークス体制で参戦した。スーパーバイク世界選手権(以下、SBK)チャンピオンのジョナサン・レイとチームメイトのレオン・ハスラム、そしてSBKで上位争いを展開しているトプラック・ラズガットリオグルを擁し、この激戦を制した。
マシンのNinja ZX-10RRは、KRTがSBKで走らせているマシンと同様のグラフィックをまとっており、外観上は全日本仕様との相違もほぼ見られない。おそらくはSBKで使用されているマシンの仕様をベースに、鈴鹿サーキットに対応するセッティングがほどこされていると考えられる。だがタイヤはSBKで使用しているピレリではなく、全日本などで実績のあるブリヂストンとなっていて、マフラーもSBKで使われるアクラポビッチではなく、ビートとなっている。KRTはSBKのスケジュールもあり、ライバルチームのように十分なテストの時間を確保することはできなかったが、ライダーはマシンの仕様変更にしっかりとアジャストし、チームも的確なマネージメントで26年ぶりの優勝を勝ち取ることができた。
詳細な仕様については、明確な資料がないが、その圧倒的スペックは、歴史に残る激戦を制したという事実が裏付けている。
夏目健司
東海地区で雑誌の取材業務に携わる。社会ネタから街ネタ、スポーツ取材と、どんな現場にも駆けつけます。
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