ヨシムラ
阿寒湖アイヌコタンを訪ねる旅
数年前、ぶらりと立ち寄った釧路、港の屋台。隣り合わせになった男性と仲よく飲んだ。聞けばその男性、松田さんはアイヌコタンから来たという。「兄ちゃん、バイクならオレの店にも遊びに来いよ」と誘われた。そんな出来事を思い出しながら今回、テント道具を積み、アイヌコタンに向けてW800のアクセルを開けていた。
阿寒湖畔にはキャンプ場があり630円でテントを張ることができる。さっそくテントを組み上げて目的地でもある北国の味ばんやのノレンをくぐる。数年振りにもかかわらず松田さんは昨日会ったみたいな顔で迎えてくれた。松田さんはアイヌ文化継承者の一人で全国にアイヌの歌と踊りを伝える講演も行なっている。
翌朝阿寒湖を後に北へ向かう。するとすぐに道の駅相生を見つけた。そこは廃線になった駅舎。横には動かぬディーゼル車が並んでいて無料で泊まれるライダーハウスになっていた。これはたまらんと昼寝させてもらい、またW800にまたがる。
ひたすら伸びる道を走り続け遠軽に到着した。インカルシに漢字をあてたのが遠軽の語源だ。ピリカノカと呼ばれる瞰望岩にひかれ、断崖の上から原野を一望する。そしてたど辿り着いた最北端の地、宗谷岬。絶好のタイミングで眺めた夕陽は疲れを忘れさせる最高の一時だった。
コレを食っとけ
松田健治さんの“エゾ鹿のルイベ”
エゾ鹿のルイベは、北国の味ばんやで食べることができるアイヌ継承の食の代表格だ。ルイベとは収穫した魚やエゾ鹿の肉、熊肉などを冬の間にアイヌ民族が暮らす家の軒下に半冷凍(シャーベット)状態にして保存した食材を指す。
落合 みつを
シンガーソングライター。新潟県出身。2004年メジャーデビュー。世界初の分解ギターをヤイリギターと製作する。現在、愛車W800との旅をウェブ TVで世界配信中。全国コミュニティFM7局放送中『今日はどこまで歩こうか?』詳しくは公式HPインフォメーションにて
http://information.mitsuwo.com
Web TV『落合みつをの今日はどこまで走ろうか?』
http://www.mitsuwo.com/