カワサキにまつわるアレコレを探して東へ西へ、北へ南へ。今回は航空発祥の地で発見したカワサキをご紹介。
戦後初の本格的国産機を改良したKAL-Ⅱを展示
明治42年に勅令が公布され日本初の飛行場となった所沢飛行場は日本の“空”を切り拓き、発展させていった礎。その跡地に建てられた一つが所沢航空発祥記念館で、そこに“カワサキ”を発見できる。それは川崎航空機製の連絡機・KAL-Ⅱと、川崎重工業のヘリコプター・OH-6J(ヒューズ500)だ。
KAL-Ⅱは川崎航空機の岐阜工場にて組み立てられたもの。戦後初の本格的な国産機となるKAL-Ⅰを改良して製造されたが、審査で富士重工業のLM-1に敗れたため、2機しか試作されなかったという。その2機は航空/海上自衛隊で使われ、役割を終えたあと1機は解体、もう1機は所沢航空発祥記念館が展示している。同館によれば「のちの航空産業の復興に大きな役割をはたした、意義深い機体」だという。OH-6J(ヒューズ500)はアメリカのヘリコプターだが、川崎重工業がライセンス生産したもので、KAL-Ⅱとともに天井から吊り下げられて、展示されている。
同館は歴史的な機体展示をはじめ、シミュレータなど、航空のあれこれを知る、体験できる凝ったさまざまな仕組みがなされている。それらは子どもから大人まで楽しめる。また、いろいろな機体のエンジンも展示されているので、バイク乗りは興味津々となるかも!? ツーリングの目的地、立ち寄りスポットとして訪れてみてほしい。
ヘリコプター・ヒューズOH-6J(ヒューズ500)もカワサキにまつわるもの。このヒューズ500は川崎重工業がライセンス生産したもので計170機が自衛隊・民間で使用された
所沢飛行場でも活躍した乙式一型偵察機(サルムソン2A2)のプロペラが展示されているが、乙式一型偵察機も川崎造船所(のちの川崎航空機)が生産していた
2階の一角には、旧日本陸軍の戦闘機で川崎航空機が開発製造した、三式戦闘機・飛燕のエンジンが展示されている。なお、構造が見やすいように上下逆に配置している
60年前に国産技術で開発され、(航空自衛隊の)練習機として使用されていたT-1Bが展示されており、間近で見られる
バイクつながりでいえば、館内にはホンダのグループ会社が運航していたセスナなども展示。実際に操縦桿を操作できる
2階にある空の管制では所沢に今もある国土交通省東京航空交通管制部で実際に使用していた各種装置などを展示している
日本航空協会より重要航空遺産の第1号に認定された、実物の九一式戦闘機の胴体部も同館に保存されている
取材当時期間限定で展示されていたアンリ・ファルマン機。この機体は徳川好敏大尉が日本初の動力飛行を成功させた記念すべきもの
重力体験装置・スペースウォーカーは3つのコースがあり、まるで月面をジャンプしているような不思議な重力体験ができる
キッズから大人まで幅広い世代に人気なのがフライトシミュレータ。飛行機やヘリコプターの操縦感覚が楽しめる
館内にあるミュージアムショップでは、所沢飛行場に関するものから模型飛行機などなど、バラエティ豊かなグッズがそろう
埼玉県・所沢航空記念公園内に位置する所沢航空発祥記念館。二輪駐車場は無料で、四輪駐車場(普通車1時間毎100円、最初の2時間無料)もあり