バイク専用設計マウントシステムをリリースしているサインハウス。バツグンの安定性、振動吸収性など、バイク専用ゆえの妥協なき作り込みにこだわる。このほどニンジャ1000/1400GTR対応のマウントパーツを発表した
さりげなく&収まり感よくマウントするための設計
バイク用ナビゲーションやETC機器、カメラ、ビデオなどのデバイスを、確実かつスマートに車体へ装着するためのツールとして、多くのユーザーに親しまれているサインハウスのマウントシステム。このほど、その豊富なラインナップにニンジャ1000/1400GTR対応のマウントパーツが登場した。まずはサインハウスのマウントシステムの特徴から解説する。
“バイクにも取り付けられる”ではなく、“バイクに取り付ける”ことに特化したサインハウスのマウントシステム。バイクには走行振動やエンジンから伝わる小さな振動、走行風圧などがあり、“バイクにも取り付けられる”程度のマウントパーツでは、要件を満足に満たせない。仮に取り付けることが可能だったとしても、振動やパルスの影響を装着したデバイスへダイレクトに伝えてしまい、最悪の場合は内部基盤を破壊してしまうこともある。つまり、クルマや自転車用視点の発想で設計・開発したものでは、バイク用マウントとして通用しないといえよう。だからこそのバイク専用設計が必要で、部材の吟味や製造加工術への工夫もさることながら、入念かつ過酷なテストの繰り返しを経ていなければ、自信を持って世に送り出すことができない。それをやってのけたのがサインハウスであり、ユーザーからの圧倒的な支持があるのもうなずける。
マウントシステムとしての特徴は、Aパーツ(ホルダー)、Bパーツ(アーム)、Cパーツ(ベース)に構成パーツを分け、装着するバイクや装着したいデバイスに合わせて、フレキシブルに対応できること。仮にバイクを買い替えた際はCパーツのみの変更で、愛用のデバイスをマウントし直すことも可能である。
次に挙げられるのが、素材と製造加工方法だ。各マウントパーツにはA6061無垢材から削り出したアルミ材を採用。T6熱処理をほどこし、さらに硬質アルマイトコートでフィニッシュする念の入れようだ。各パーツをジョイントするボール部は、衝撃緩和とホールドグリップ性にこだわり、表面と内部を最適チューニングする独自製法の硬質ラバーを採用。ボルト&ナットには、耐腐食性と粘りにすぐれるSUS303を使用している。さらにサインハウスだからこそのこだわりとして、機械振動によるテストだけでなく、高速走行や長期間テストなどを実施。それらのテストをクリアして、初めてサインハウスのマウントシステムとしてリリースしているのだ。
今回新発売となったのはニンジャ1000/1400GTR対応のCパーツだ。この“C-26ステムホールベース12・8φショートタイプ”は、同車ユーザーでもある担当者が設計・開発。AおよびBパーツを取り外した際に、このCパーツのみ車体へ装着したままでも違和感のないルックスや、デバイス類をマウントした際の収まり感のよさ、しっかり感のある取り付け具合がポイントとなっている。M8シリーズとしているのは、年々重量の増すデバイスへの対応を意図しているからで、組み合わせるAおよびBパーツもM8シリーズよりチョイスしてほしい。まさに“乗り手が作った乗り手が欲する”マウントなのだ。
KAZU 中西
1967年4月2日生まれ。モータージャーナリスト。二輪雑誌での執筆やインプレッション、イベントでのMC、ラジオのDJなど多彩な分野で活躍。アフターパーツメーカーの開発にも携わる。その一方、二輪安全運転推進委員会指導員として、安全運転の啓蒙活動を実施。静岡県の伊豆スカイラインにおける二輪事故に起因する重大事故を撲滅するための活動“伊豆スカイラインライダー事故ゼロ作戦"の隊長を務める。過去から現在まで非常に多くの車両を所有し、カワサキ車ではGPZ900R、ZZR1100、ゼファーをはじめ、数十台を乗り継ぎ、現在はZ750D1に乗る。
http://ameblo.jp/kazu55z/
https://twitter.com/kazu55z