日本ビート工業がレースシーンで得られた技術をフィードバックしたエキゾーストシステム、ナサート・エボリューションを新たに開発。その第一弾としてZ1000、ZRX1200ダエグ用フルエキゾーストを発表した
カワサキのチームで採用された新技術
サイレンサー形状のポピュラーなものは真円サイレンサーなのだが、消音容量を確保するためには大型化せざるを得ず、タイヤの高性能化によりバンクした際にサイレンサーが路面にヒットしてしまうようなことも起こりうる。これらのウィークポイントを解決する手段がサイレンサーを異型断面とする手法である。
カワサキの社内チーム、チームグリーンにマフラーを供給する日本ビート工業は、異型断面サイレンサーを採用したフルエキゾースト、ナサート・エボリューション・シリーズの開発に着手。第一弾としてZ1000用とZRX1200ダエグ用エキゾーストシステムの2種類が間もなく発売されようとしている。
「チームグリーンでは昨年オーバルタイプのサイレンサーを使用していましたが、今年はこのエボ・サイレンサーを使用しています。さまざまなテストやレースの現場で得られたデータをもとに、現在存在する最高の技術を投入してできたのが、このエボ・サイレンサーです」
こう語るのは日本ビート工業の専務・鷲野泰孝氏。
Z1000用エキゾーストシステムはノーマルと同様の2本出し設定だ。なぜかと言うと、1本出しにするとサイレンサーが大型化してしまい、バイクそのもののイメージが変化してしまうからである。2本出しで消音容量を確保したためにパイプ長も短くすることが可能になり、マスの集中化にも貢献している。1-3、2-4をタテに連結して一本にまとめ、さらに2本に分割するという集合方式も新採用した。
ZRX1200ダエグ用エキゾーストシステムは6月上旬、Z1000用エキゾーストシステムは6月中旬の発売が予定されている。ナサート・エボリューションのラインナップは順次増えていく予定だ。カワサキとは縁の深い日本ビート工業だけに、今後の展開が楽しみである。
夏目健司
東海地区で雑誌の取材業務に携わる。社会ネタから街ネタ、スポーツ取材と、どんな現場にも駆けつけます。
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