製品紹介

メーカーの理念と美学が詰まった、逸品モノやサービスを紹介

KTS湘南 Z900RS/CAFE用フロントフォークボトム

ページを共有

Z900RSの質感と走りのクオリティを高める“玄人好みの逸品”

最新技術を備えた車体にカワサキが誇る名車「Z」のテイストを落とし込んだZ900RSは、デビューから約3年で多くのユーザーに愛される存在になった。そのネオクラシックの外観と走りをさらに高めるべく、カワサキ車の取り扱い歴35年のKTS湘南とレース用パーツの生産などで高い技術力を誇るアルカディアが共同開発。Z900RSオーナーだからこそ満足できる魅力的なパーツ「フロントフォークボトム」が完成した。その開発コンセプトと製品内容をKTS湘南の西川英夫取締役とアルカディアの高野二郎代表にうかがった。

KTS湘南 Z900RS/CAFE用フロントフォークボトム

「Z900RSを販売していて感じたのは、年配の方々であっても“現代のZを楽しみたい”という気持ちが強いということです」とKTS湘南の西川さん。スタイリングが往年のZをオマージュしているとはいえ、クオリティや走行性能に対してそれなりで良しとする訳ではないという。特に若いころからバイクに乗り継ぎ、さまざまなチャレンジをしてきたベテランライダーほど「新世代のZの乗り味」にこだわる傾向が強く感じられるそうだ。

しかし車両を細かく見ていくと量産車であるがゆえの弱点が散見される。そのひとつがフロントフォークの減衰調整機構だ。ハイエンドのスーパースポーツモデルは伸側・圧側ともに左右のフォークにあるが、Z900RSは圧側減衰調整が右側のみとなっている。もちろんメーカーがテストを繰り返して発売しているのだから性能は問題ないはず。しかし西川さんの気持ちが引っかかった。過去の経験から、もし両方にあったらよりサスペンションセッティングが楽しめ、走りが向上するのではないか。だがそのためにはフォークを丸々オーリンズに交換するなど非常にコストがかかる。もっとリーズナブルに走りを高めることができないだろうか。

KTS湘南 Z900RS/CAFE用フロントフォークボトム

そんなことを900RSオーナーである高野さんと話していたという。「まぁ雑談レベルだったんですけどね」と西川さんは笑う。ところが高野さんは数々のレーシングパーツや大手バイクメーカーの試作部品などを生産するメーカーアルカディアの代表である。しかもZ900RSに乗るために大型二輪免許を取得したほどZ900RSに惚れ込んでいる。「自分の持てる技術をすべて注ぎ込んで妥協点を改善するパーツを作りたい」と考え、フロントフォークボトムの試作を開始した。純正のフロントフォークを徹底的に採寸し寸法を追い込み削り出す。精度にはとことんこだわり、材料であるA2017をはじめ工作機械の刃物まですべてメイド・イン・ジャパンを使用。肉抜きの角の仕上げや、内部の削り込みなど機械加工を生業としている人が見てもうなるほどのクオリティで作り上げた。

ツールマークが刻まれた美しいパーツに見惚れていると「私が自分の愛車に取り付けたいと考えて作り出しました」と高野さん。数々の高度な部品を生み出してきたからこそ妥協した部分はないと言い切る。その意識は本体だけではなく、調整機構の要であるコンプレッションバルブにも及ぶ。ノーマルよりもはるかにシャープな形状のニードルは加工の難易度も高い。しかしその形状だからこそノーマルよりも細かい調整が可能となり、ベテランでも満足できる乗り味を実現しているのだ。

コンプレッションバルブ

そしてこのフロントフォークボトムにはもうひとつの工夫がある。キャリパーの取付ピッチが100mmなのだ。108mmピッチの純正キャリパーは使えなくなるが、ブレンボ製モノブロックを始め数多く発売されているキャリパーが使用可能となる。ブレーキホースも作る必要があるが「自分好みのルックスとタッチを実現できます」と西川さんは言う。

表面仕上げは質感がある光沢アルマイト。この輝きもこだわりが生み出したもの。「実はゴールドやブラックの光沢アルマイトって難しいんです。一般的な工業製品に使うアルマイトの10倍くらいコストが掛かっています」と高野さんが教えてくれた。それによってZ900RSの足まわりがより引き締まって見える。クオリティの高さを感じる部分だ。この3色以外のアルマイトがオーダーできるカラーオーダープラン(1万1,000円税込)も用意されているので、愛車をより個性的に仕立てることも可能。

Z900RSのフロントフォークの左右の動きを共通化させ、より細かい調整を可能とし、好きな100mmピッチのキャリパーを装着できる美しい仕上がりのフロントフォークボトム。派手さはないが、生産者のこだわりが随所から伝わってくる。バイクに詳しい人ほど注目する逸品だといえよう。

KTS湘南
KTS湘南

カワサキ車取り扱い歴35年以上を誇るカワサキ正規ディーラー。技術力は高く、修理、点検、メンテナンス、車検のほか各種カスタムやペイントなども行っている

左:KTS湘南・西川さん/左:アルカディア代表・高野さん

左:KTS湘南・西川さん/左:アルカディア代表・高野さん
2人の雑談から始まったフロントフォークボトムは構想から完成まで1年近くかかったという

アルカディア代表・高野さん

フロントフォークボトムはZ900RSをこよなく愛する高野さんの気持ちが存分に込められた逸品。テストはもちろん高野さんの愛車で行われた

Z900RS/Z900RS CAFE用フロントフォークボトム

適合 カワサキZ900RS/カワサキZ900RS ※2BL-ZR900C
希望小売価格 110,000円(税込)
※左右セット
カラー シルバー、ゴールド、ブラック
※カラーオーダー別途11,000円
素材 A2017P Al-Cu合金アルミニウム総削り出し加工
製造国 日本
製造 有限会社 アルカディア
東京都西多摩郡瑞穂町箱根ヶ崎872-8
TEL:042-568-0850
https://arcadia-net.net
販売 KTS湘南
神奈川県平塚市天沼1-36
TEL:0463-23-8766
http://www.kts-shonan.jp

[注意事項]取付作業には専門知識が必要なため、車両を購入された店舗にご依頼ください。製品に関する問い合わせは購入した二輪販売店へお願いします。

問い合わせKTS湘南
電話番号0463-23-8766
URLhttp://www.kts-shonan.jp
横田 和彦

1968年6月生まれ。16歳で原付免許を取得。その後中型、限定解除へと進み50ccからリッターバイクまで数多く乗り継ぐ。現在もプライベートで街乗りやツーリングのほか、サーキット走行、草レース参戦を楽しんでいる。




人気記事




カワサキイチバン