世界的なカスタムパーツブランドのヨシムラがNinja ZX-25R用のカスタムパーツを次々とリリースしている。ここではスポーティな走りを高めてくれる製品を紹介しよう。
レーシングコンストラクターがNinja ZX-25Rの魅力を高める
ヨシムラの創業は実に67年前。創業者の吉村秀雄氏はチューナーとして秀でた才能を持ち“ポップ吉村”という愛称で呼ばれ親しまれた。以来ヨシムラは世界中のレーシングフィールドで闘っていて、そこで得られたノウハウを製品にフィードバックしている。
そのヨシムラがNinja ZX-25Rのカスタムパーツを数多くリリースした。トータルコーディネートされたマシンの中でとくに注目したいのはサイクロンマフラーである。50年前に世界で初めてバイク用の集合マフラーを開発したのがヨシムラであり、当時のレース界に衝撃を与えた。サイクロンには長い歴史が詰め込まれているのだ。
Ninja ZX-25R用サイクロンの開発では多くの困難があった。ヨシムラのマフラー開発課・岡本隆之氏によると、わずかなパイプ径や長さの違いで特性が大きく変わってしまうのだという。シビアなテストが幾度となく繰り返されたサイクロンは、市街地で使用頻度が高い中回転域からトルクを向上する。また、マフラー交換するだけで、他のセッティングを変更することなく並列4気筒エンジンのパワーフィーリングも向上する。
また、サウンドの変化も特徴の一つ。従来の甲高いサウンドに重低音が加わり、より迫力が増したため、スロットルを開けるのが楽しくなる。そういった点でもエキゾーストノートがライディングに影響するといってもいいだろう。そして同時に3.9㎏(チタンサイクロン)の軽量化を実現することも見逃せない。
また、レースで得られた技術が凝縮されたステップキットも、操安性を向上させるのに貢献している。他にもエンジンやバッテリーの状態を数値で把握できるテンプ・ボルトメーターや、軽快感を生み出すフェンダーレスキット、レーシーなブレーキレバーガードなど数多くのパーツが用意されている。
ヨシムラは現在もNinja ZX-25R用のカスタムパーツを各種開発中だという。今後も目を離すことができないブランドだ。
ヨシムラサイクロン
Ninja ZX-25R用のサイクロンにはヨシムラが長年積み重ねてきたマフラー設計のノウハウが余すことなく注ぎ込まれていて、交換するだけでノーマルよりも中〜高回転域でパワーアップが実現できる。エキゾーストパイプは軽量なチタン製と、耐久性があるステンレス製の2種類があり、サイレンサー形状はスポーティなR-11とオーバルタイプのR-77Sの2種類。サイレンサーカバーの仕上げが各3種類ずつあるので、12種類のなかから好みの仕様のマフラーを選ぶことができる。
ステップKIT[X-TREAD]
走行性能に直接影響するカスタムパーツの一つがステップ。ヨシムラのステップキット、エックストレッドは、激しい荷重移動をしてもすべらずしっかりグリップする、レース現場からフィードバックされた形状のステップバーを採用している。また確実なシフトチェンジを実現する高精度のシフトペダルや、繊細な操作を可能とするブレーキペダルなどを備えている。さらに4ポジションから選べるので、自分に適した位置にセットすることができる。
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インプレッション
ヨシムラの最新カスタムパーツを装着したZX-25Rに乗ることができる。それを聞いただけでテンションが上がった。ヨシムラが手を加えることでZX-25Rがどんな変貌を遂げているのか楽しみだ。
ヨシムラのR-11サイレンサーはZX-25Rのスタイルにマッチしスポーティさが向上している。エンジンをかけるとノーマルよりも重低音が増したサウンドが響き渡る。サイレンサーのテールエンドがライダーに近いからか、走行中も耳に届きやすい印象。何より気に入ったのがクイックシフトでシフトアップする瞬間に軽い破裂音が混ざること。まるでレーシングマシンを操っているような気分に浸れる。
市街地で常用する中回転域からのトルクが高められているため、バイクを操る楽しさもアップ。いつまでも走っていたくなるマフラーだと感じた。(横田和彦)
横田 和彦
1968年6月生まれ。16歳で原付免許を取得。その後中型、限定解除へと進み50ccからリッターバイクまで数多く乗り継ぐ。現在もプライベートで街乗りやツーリングのほか、サーキット走行、草レース参戦を楽しんでいる。