創業以来、さまざまなカワサキ車用オリジナルパーツを開発してきたMSLゼファーがプロデュースする、オリジナルブランド“K’s STYLE”。違いのわかる大人のためのカスタムパーツを数多くリリースしているが、ここではZRX1200ダエグに注目してみる
より艶やかに、よりスポーティに
K‘sスタイルのZRX1200ダエグコンプリートマシンを見て、まず目に飛び込んでくるのはそのオリジナルペイントだろう。これは“レジェンドカラー”と呼ばれているが、このカラーリングモチーフが初期型ニンジャであることはあまり知られていない。
84年、GPZ900R“Ninja”が登場したときの衝撃。古くからのカワサキファンならば、覚えているだろう。当時としては画期的な多くの新機構と世界最速の座を奪還した走行性能の高さもさることながら、そのシャープな造形と何者にも似ていなかった斬新なカラーリングは見る者を魅了して止まなかった。
カワサキが20年以上もの歳月をかけて熟成させてきた水冷サイドカムチェーン式エンジン、ニンジャのフロントカウルを彷彿とさせるエッジの効いたビキニカウル。K‘sスタイルのダエグが、初期型ニンジャのカラーリングをモチーフとした赤/黒の“レジェンドカラー”に塗られているのは、ただ格好がよいからではない。ダエグがカワサキの歴史を深く感じさせる由緒正しいモデルだからなのであり、それゆえの“レジェンド(伝説)”なのである。
カラーリングは、他にもクラシカルなローソンカラーなども選択できるが、車体色だけでもマシンの歴史を語れるあたりに、大人の知性を感じはしないだろうか。
次に、機能面を見てみよう。リヤショックには、特別にオーダーをかけたローダウン仕様のナイトロンを装着する。基本設計から見直しただけに、高い走行性能を維持したまま、良好な足着き性を確保している。スプリングカラーは車体色に合わせ、6色から選べるのもうれしい配慮だ。
さらに排気系には軽量なノジマ製チタン・スリップオンマフラーを装備する。ノジマはダエグ用として異型断面形状のLOCK-ONシリーズをラインナップしているが、このクラシカルな丸筒形状の“ダエグ用ファサーム”はK‘sスタイルとの限定コラボレート品。
「落ち着いた大人のライダーのために、シンプルな丸筒型マフラーの選択肢を与えたい」とわざわざMSLが発注し、共同開発したモノなのだ。またサーキットでのスポーツ走行を楽しみたい向きのため、リミッター解除スイッチも装備。このあたりはMSL代表・藤木氏の提唱する“大人にこそ似合う、スポーツマシンを”というコンセプトを反映した部分といえよう。
K‘sスタイルの基本概念『安心・安全・快適』に、ハデすぎない自己主張とスポーティさを加えたダエグ。いつまでも遊び心を失わない大人のライダーには、きっと魅力的な一台と映ることだろう。