基本性能にこだわった正統派カスタム。
往年の空冷Z系モデルを彷彿とさせるスタイリングと、最新の動力性能で人気のZ900RS。その特徴を活かしながら、よりパフォーマンスを向上させ、スタイリングに存在感を持たせた、いわばスポーツグレードとでもいうべき存在に仕上げられたのが、プロトによるZ900RSカスタムダイバーだ。
素性のよさをさらに向上、上級モデルのような存在感
まず注目されるのが、アップタイプとロータイプの2種類をラインナップするテーパーハンドル。これまでのエフェックスハンドルバーと同様、精度を徹底追求しながら、製造の難しいテーパー化を成し遂げている。カラーバリエーションはブラック、シルバー、ゴールドを用意し、さまざまなカスタムスタイルに対応する。
フロントブレーキにはブレンボを採用し、マスターシリンダーは最新のRCSコルサコルタに専用のタンクステーを装着した。キャリパーには、ニッケルコートがほどこされたGP-4RXを採用し、ブレーキホースは、スウェッジラインプロを組み合わせる。
足元を特徴付けるのは、ゲイルスピードのタイプN。クラシカルなスタイリングはもちろん、軽さと剛性の高さも魅力だ。さらに駆動系として江沼チエンのThreeD(スリード)チェーンをセレクト。立体的なカットと車体にマッチしたカラーで、性能面と質感を向上させている。
サイレンサーにはアクラポヴィッチのブラック チタンスリップオンを採用。メガホンマフラーを彷彿とさせるスタイルが、ネオクラシックな車体イメージによくマッチングしている。サウンド、性能、軽量化と恩恵は大きく、もちろんJMCAも取得している。
カスタムにおいて必須アイテムといえるフェンダーレスキットは、純正荷かけフック装着の有無を選択できるモノを使用した。さらにシート高を20mmダウンさせるローダウンキットにより、足着きを向上させるだけでなく、テールアップを抑えて全体のシルエットを上品にまとめ上げる。ローダウン時に有効なショートサイドスタンドも、専用品をラインナップしている。
プロトの提案するZ900RSカスタムダイバーは、オーナーの好みに合わせたライディングポジション、そして基本性能の向上、クオリティアップを確実に実現した、まさに上級モデルともとらえられる大人のカスタムといえるだろう。
若林 浩志
フリーランスライター&カメラマン