ネイキッドに最適なスタイルの多機能デジタル砲弾型メーター
メーターとは、意外に重量物である。とくに最近のデジタル式ではなく、00年代以前のアナログ式ではそれが顕著だ。少し考えてみればその理由もよくわかる。アナログ式ということは、エンジンの回転数や速度といった情報が、基本的にエンジンやアクスルシャフトで生じた回転をケーブルなどでメーターまで伝達し、歯車で変換して速度や回転数として表示されるものだからだ。
メーター内部は複数の歯車が組み合わさっており、しかも耐久性と精度を両立させるため、かなり大型な金属で構成されていることもめずらしくない。そのため、少し古いバイクであればメーターの重量そのものでフロントへビーになり、ハンドリングへ少なからず悪影響をおよぼしているのだ。そのため、メーターをエンジンのパルスや回転を電気変換するデジタル式にすれば軽量化にもつながり、ハンドリングも向上する。あまりメジャーではないが、メーターの交換は単に見た目を変えるだけの行為ではないのだ。
ところが、問題がないわけではない。従来のデジタルメーターは基本的に横置きの、いかにもデジタルメーターというデザインのモノばかりであった。そのため、ネイキッドなどでは従来のメーターと交換すると、あまりにフロントのスタイルが変わってしまっていたのである。デジタル化によって軽量化はもちろんのこと、視認性の向上や視覚的な変化をもたらすが、バイクの印象すらガラリと変わることをよしとする冒険的なオーナーばかりではない。ネイキッドにはネイキッドというスタイルならではのよさがあるのだ。
そこでエースウェルでは、ネイキッド定番の砲弾型を採用したデジタルメーターを登場させた。デザイン上は通常のネイキッドに多用されているスタンダードな形状のままとして、内部は最新のデジタル表示になり、速度、温度、燃料計、時計などの情報がひと目でわかるよう中央に集約。そして平均速度やライディングタイムの計測機能、シフトワーニング機能、99周まで計測可能なラップタイマーなど、シチュエーションごとに欲しいと思われる機能を盛り込んだ。
また、デジタルメーターは一般的にグローブ装着時にはボタン操作しにくい部分がある。そこでワイヤー式リモコンを標準装備することで、ハンドル位置から多機能を効率よく操作して使い込むこともできるように考慮しているのもポイントだ。
機能面では水/油温計だけではなく、外気温計を標準装備しているのも見逃せない。とりわけ冬季の夜間時や、夏季の渋滞時など、過酷な環境が予想できる場合にも正確な数値により、エンジンへの対応を行なえるようになっている。
さらにデジタルメーターとしてはめずらしい、デジタル制御の針式タコメーターを装備。デジタルながらアナログの雰囲気を引き継いでおり、ネイキッドの雰囲気をくずすことなく最新鋭の機能が楽しめるのだ。