ヨシムラ
5月21日(土)・22日(日)に開催された2022年FIMスーパーバイク世界選手権第3戦。カワサキレーシングチーム(KRT)のジョナサン・レイ選手とアレックス・ロウズ選手は着実にポイントを重ね、第3戦終了時にはレイ選手が総合で144ポイント、ロウズ選手は同じく総合で54ポイントを獲得している。
スーパーバイク世界選手権は各1戦ごとにレース1とレース2、スプリントレースのスーパーポールレースの合計3レースが開催されている。
21日(土)にはレース1とスーパーポールレースの予選が開催され、ジョナサン・レイ選手はスーパーポールレースでポールポジションを獲得。レース1ではほぼ全周に渡って激しいトップ争いを演じ、最終的は3位を獲得。アレックス・ロウズ選手はスーパーポールレース予選を8位に入り、レース1は7位でチェッカーを受けている。
続く22日(日)はまず10周で競われるスーパーポールレースがスタート。朝のウォームアップ走行では完全な雨に見舞われていたが、周回を重ねるごとにドライの狭いレーシングラインが現れるなど、激しいレースが展開された。
レイ選手はライバルとなるトプラック・ラズガトリオグル選手にブレーキングでウエット・セクションに突っ込まれたが、最終ラップに差し掛かるとラズガトリオグルが転倒しそうになるアクシデントに見舞われた。そこで最終コーナーでレイ選手が抜き去り、そのままスーパーポールレース優勝をはたした。
レース2では、ラズガトリオグル選手とKRTチームメイトのロウズ選手の4台によるバトルから抜け出したレイ選手がバウティスタ選手とのバトルを展開。バウティスタ選手をパスするのに2度ほど失敗したが、低速シケインでバウティスタ選手を抑え、レイ選手がスーパーポールレースに続いて勝利を収めた。
一方のロウズ選手はというとスーパーポールレースで余裕のある走りでスタートし、コースの特性を理解するとトップ6入賞をはたした。またレース2では表彰台争いを展開し、終盤は上位陣のペースが落ちて4位を獲得。チャンピオンシップのポイント数を増やすとともに自信を深めている。
レース終了後、総合ポイントではバウティスタ選手が161、レイ選手が144、ラズガトリオグル選手が109、そして7位のロウズ選手が54ポイントを獲得している。
続く第4戦は6月10日から12日に、イタリアのミサノ・ワールド・サーキットで開催される。
レース終了後にKRTから出たコメントは以下のとおり。
ジョナサン・レイ選手
「スーパーポールレースは、ちょっとしたプレゼントでした。トプラックはシケインの奥でバックブレーキを多用し、それでフロントが重くなっていました。彼はフロントを失い、自分はただ自分のラインをキープしました。最後の長い右コーナーでリードしたかったし、それが実現できました。今日はエキサイティングな最終戦でした。小さなミスがあったけれど、最終ラップにはかなり強くなっていて、すべてを挽回することができましたね。最終ラップでは最終コーナーからストレートにかけてのトラクションがとてもよく、最初のうちはスリップストリームを使いながら『とにかくブレーキをかけろ、ミスするな』と自分に言い聞かせていました。そして第3コーナーでは、アルバロと一緒に走ることができました。トラクションがすごくよくて、彼の近くを走ることができたんです。そしてT7でパスしようとしましたが、彼はシケインの頂点で駐車してしまった。だから私は自分のラインを取って、うまく抜けるようにしたんです。最終コーナーでは大きなスライドをしたので、彼にやられるかと思っていましたが、ひたすらスライドに乗り続けて、最終的には仕事をやり遂げることができましたね。最終ラップが思いどおりになると本当にうれしいです。レース2は序盤から素晴らしいバトルが展開されましたよ」
アレックス・ロウズ選手
「レース2はドライコンディションで、少なくとも12~13周は上位に食い込むことができたのはよかった点です。これまでは誰もそんなことはできなかったですからね。これまでずっと遅れていたこともあり、これは嬉しい点です。アッセンでの2回のリタイヤのせいで、今年のスタートは悪くなったように思えました。それを除けば、私はこの一年、かなり安定していましたよ。このコースはちょっと変わっていて、冬の間に行ったベースセッティングではうまくいきませんでした。かなりタイトで、マシンをもう少しノーズに乗せないと曲がれません。それが解決されると、マシンはとてもよく走るようになりました。今朝のウエットコンディションではいい感じでした。スーパーポールの最初の数ラップは、スリックタイヤで走ったので少し慎重になり、いくつかのコーナーではレーシングラインが少ししかありませんでした。その後、すぐに順位を下げましたが、スーパーポールの終盤は、SC0タイヤでもいいスピードが出ていましたね。昨日から変更したマシン・セッティングもよかった。決勝では2列目からのスタートで、自分のペースはかなりよくなると思っていました。レース2ではSCXを使用しましたが、最後の5、6周を除いてはとてもよいフィーリングでした。全体的に見れば、かなり堅実な週末になったと思います」