ヨシムラ
今年9月に2車種のEVモデル、ニンジャ e-1とZ e-1の発売を発表したカワサキだが、先週、ハイブリッドモデル『ニンジャ7ハイブリッド』を発表した。カワサキはすでにEICMAなどでハイブリッドモデルのショー用モデルを発表しているが、今回発表されたモデルは市販車となる。欧州で発表され、2024年4月からイギリスで発売される予定で、国内導入に関してはまだ発表されていない。
エンジンは水冷4ストローク並列2気筒451㏄で、量産車世界初のストロングハイブリッドを採用する。ハイブリッドシステムは大別してマイルドハイブリッドとストロングハイブリッドに分けることができる。マイルドハイブリッドは電動モーターをガソリンエンジンの補助動力として使用するのに対して、ストロングハイブリッドは電動モーターのみで走行することが可能となっている。マイルドハイブリッド採用モデルは二輪業界でもすでに市販されているが、ストロングハイブリッドは、カワサキ以外一般公開したことすらない。ニンジャ7ハイブリッドは、量産車世界初のストロングハイブリッド採用モデルなのだ。
エンジン出力は59.1psだが、eブーストと称した動力パフォーマンスを向上させる装置を始動させることにより69.5psまで発揮する。この時の加速力は、カワサキによれば1,000㏄クラスのスーパースポーツモデルに匹敵するという。また、ライディングモードはスポーツハイブリッド、エコハイブリッド、EVの3モードを備え、それぞれが異なるキャラクターを提供する。この他、アイドリングストップ機能や、発進時に自動的に1速を選択する機能、そして人が歩くくらいの速度で進むウォークモードなど、革新的な機能を備える。
車体に関してはトレリスフレームを採用し、ガソリンエンジンと最大9kwの駆動モーターを組み合わせる。加えて、理想的な重量配分を実現するために、48Vリチウムイオンバッテリーを車体中心近くに搭載する。
現時点では、ニンジャ7ハイブリッドは欧州での発売予定だが、ニンジャ e-1とZ e-1同様に国内導入の可能性も非常に高い。今後のカワサキの発表に注目したい。
※文中の数値は欧州発表の数値です