ヨシムラ
並列4気筒399㏄エンジンは最高出力ラムエア加圧時80ps!
2月1日に北米と欧州で発表され、大きな注目を浴びているNinja ZX-4Rシリーズだが、翌2月2日に国内でも正式発表され、詳細が公開された。まず、気になる発売開始時期だが、2023年2月以降に導入国で順次発売開始され、カワサキモータースジャパンの発表では国内導入は2023年秋に向け準備を行なっているとのことだ。
それでは、メカニズムの詳細を解説していこう。バリエーションは“4R”と“4R SE”と“4RR”の3タイプ。採用する並列4気筒399㏄エンジンは最高出力77psで、ラムエア加圧時には80psを発揮する。ラムエアシステムのラムダクトは、Ninja ZX-25R同様にヘッドライトの上に配置され、フロントフォーク左側を通ってエアボックスに向かう。なお、レッドゾーンは、かつてのZXR400が1万4,000rpmだったのに対して、Ninja ZX-4Rシリーズ は1万6,000rpmからで、400㏄クラスにしては非常に高回転型エンジンとなっている。
車体に関してだが、フロントには、ストローク性能と路面追従性にすぐれたショーワ製フロントフォークSFF-BPを装備し、4R SEと4RRはプリロード調整が可能となっている。リヤにはホリゾンタルバックリンクリヤサスペンションを装備していて、4RRはショーワ製BFRC-liteを採用する。BFRC-liteはNinja ZX-10Rにも採用されているリヤショックで、スムーズなストローク性能と安定した減衰力が特徴だ。なお、フロントブレーキはNinja ZX-25Rがシングルディスクなのに対して、Ninja ZX-4Rシリーズはハイパワー化に加え、ハイスピード走行を想定してダブルディスクを採用する。
電子制御機能に関しては、近年標準装備の傾向が強くなっているトラクションコントロールの採用に加え、カワサキの大排気量モデル同様“スポーツ”“ロード”“レイン”“ライダー”のモードを装備しており、走行条件やライディングスキルに合わせて、電子制御システムなどの組み合わせを任意で選択できる。また、4R SEと4RRにはクイックシフターが装備される。メーターには、これら電子制御機能を設定変更することができるTFTカラー液晶スクリーンが採用される。
メーターは4.3インチフルデジタルカラー液晶スクリーンを採用する。メーター上で電子制御機能の設定が変更できる他、ラップタイム計測も可能となっている
このように、Ninja ZX-4Rシリーズは400㏄モデルとしては、装備や機能が非常に充実しているといえる。国内導入モデルの価格や最高出力など、気になる点は多い。今後の動向に注目したい。
「Ninja ZX-4R」「Ninja ZX-4R SE」「Ninja ZX-4RR」装備比較
部位 | パーツ | Ninja ZX-4R | Ninja ZX-4R SE | Ninja ZX-4RR |
---|---|---|---|---|
フロント フォーク |
ショーワ製 SFF-BP | ○ | ─ | ─ |
ショーワ製 SFF-BP (プリロード調整機能付き) |
─ | ○ | ○ | |
リヤ ショック |
ショーワ製 BFRC-lite | ─ | ─ | ○ |
装備/ アクセサリー |
デュアルディレクション KQS (カワサキクイックシフター) |
アクセサリー | 標準装備 | 標準装備 |
スモークウインドシールド | アクセサリー | 標準装備 | アクセサリー | |
USB電源ソケット | アクセサリー | 標準装備 | アクセサリー | |
フレームスライダー | アクセサリー | 標準装備 | アクセサリー |
2023年モデル Ninja ZX-4R/Ninja ZX-4R SE/Ninja ZX-4RRの主なスペック
商品名 | Ninja ZX-4R/Ninja ZX-4R SE/Ninja ZX-4RR | |
---|---|---|
型式 | ZX400PPF/ZX400RPF/ZX400SPF | |
全長x全幅x全高 | 1,990㎜×765㎜×1,110㎜ | |
軸間距離 | 1,380㎜ | |
最低地上高 | 135㎜ | |
シート高 | 800㎜ | |
キャスター/トレール | 23.5°/97㎜ | |
エンジン種類/弁方式 | 水冷4ストローク4気筒/DOHC4バルブ | |
総排気量 | 399㎤ | |
内径x行程 | 57.0㎜×39.1㎜ | |
圧縮比 | 12.3:1 | |
始動方式 | セルフスターター | |
点火方式 | バッテリ&コイル(トランジスタ点火) | |
潤滑方式 | ウェットサンプ | |
エンジンオイル容量 | 3.0L | |
燃料供給方式 | フューエルインジェクション | |
トランスミッション形式 | 常噛6段リターン | |
クラッチ形式 | 湿式多板 | |
ギヤ・レシオ | 1速 | 2.929(41/14) |
2速 | 2.056(37/18) | |
3速 | 1.619(34/21) | |
4速 | 1.333(32/24) | |
5速 | 1.154(30/26) | |
6速 | 1.037(28/27) | |
一次減速比 / 二次減速比 | 2.029(69/34)/3.429(48/14) | |
フレーム形式 | トレリス(高張力鋼) | |
懸架方式 | 前 | テレスコピック |
後 | スイングアーム(ホリゾンタルバックリンク) | |
タイヤサイズ | 前 | 120/70ZR17M/C (58W) |
後 | 160/60ZR17M/C (69W) | |
ブレーキ形式 | 前 | デュアルディスク Φ290㎜(外径) |
後 | シングルディスク Φ220㎜(外径) | |
ステアリングアングル (左/右) |
35°/35° | |
車両重量 | Ninja ZX-4R/Ninja ZX-4RR:188kg Ninja ZX-4R SE:189kg |
|
燃料タンク容量 | 15L |
※数値は海外仕様です。
※改良のため、仕様および諸元は予告なく変更することがあります。