ヨシムラ
バルセロナを拠点とするカワサキレーシングチーム(KRT)のスーパーパイク世界選手権チームは、ホームのカタルーニャからイベリア半島を越えて、ポルトガルのアルガルベ国際自動車サーキットで開催される2022年スーパーバイク世界選手権第9戦に参加する。KRTライダーのジョナサン・レイ選手とアレックス・ロウズ選手は10月7日から9日にかけて、全長4.592kmのコースに挑むことになる。
このサーキットでのレースは”ポルティマオ戦”とも呼ばれるが、厳密にはポルティマオとはサーキットの最寄りの町の名前。アルガルベとはボルティマオを含む周辺地域一帯を指す言葉でもある。通称としてアルガルベ国際自動車サーキットをポルティマオ・サーキットとすることもある。パドック内ではアルガルベ・サーキットという呼称が通例となっているそうだが、いずれにせよこの1戦は、KRTにとってスーパーバイク世界選手権で忙しい時期にはありがたいサーキットである。KRTの2人のライダーは、今年もまた、このサーキットをお気に入りのレース開催地のひとつに挙げている。また、2022年のヨーロッパでのレースはここが最後となり、残り3戦はすべて南半球でのイベントとなる。
前戦バルセロナ・カタルーニャ戦のレースウイークエンド明けの月曜日、レイ選手とロウズ選手は同サーキットで早々に短いテストを行ない、さらに9月28日(水)にもモーターランド・アラゴン・サーキットでテストを行なっている。このように、残りレースが数戦となったKRTの勝利のために、あらゆる手を尽くしているのである。
6度のチャンピオンに輝いたレイ選手は、このカテゴリーのレースではほとんどの統計的指標で目覚しい記録を残しているが、ポルティマオではすでに13勝を挙げている。それにポルティマオは、2008年シーズン末にスーパーバイクに転向したレイ選手が、初めてスーパーバイク世界選手権に参戦したサーキットでもある。
ロウズ選手は最近、Ninja ZX-10RRのベースセットアップを変更し、期待されるような走りを見せている。ドニントンとカタルーニャで3位表彰台を獲得しており、第9戦でも今シーズンのトップ3入りを目指している。
シリーズポイントでは、レイ選手が首位から67ポイント差で3位。2位とは8ポイント差だ。ロウズ選手は7位で、トップ6からわずか9ポイント差となる。
ポルティマオで2022年スーパーバイク世界選手権全12戦でのヨーロッパラウンドが終了すると、最初の「長距離」イベントがアルゼンチンのサン・フアン・ビリカム・サーキットで2022年10月21日から23日にかけて開催される予定だ。
KRTライダー両名からのコメントは以下のとおり。
ジョナサン・レイ選手
「ポルティマオは素晴らしいサーキットで、私にとって特別な思い出がたくさんあるサーキットです。2008年に初めてスーパーバイク世界選手権のレースを経験しました。サーキット自体はとてもチャレンジング。低速コーナーから高速コーナー、ブラインドエントリーやエイペックスまで、さまざまな特性があるので、ライダーには多くのインプットが必要です。私たちはそこでいくつかの成功を収めてきました。Ninja ZX-10RRのポテンシャルを最大限に引き出すことができたバルセロナに続き、ポルトガルでもチームと協力して、よいレースパッケージを作り上げることを期待しています。ポルトガルでのレースは、北アイルランドからも多くの旅人たちがサポートしてくれるので、とてもクールでもあります。目標は、本当によい週末を過ごすこと。今シーズンは中盤から勝ち星に恵まれていなかったので、何とかして勝利を取り戻したいですね。チームは最近、バルセロナとモーターランドで2日間のテストを行ないました。テストではより多くの情報を得ることができましたよ」
アレックス・ロウズ選手
「ポルティマオは大好きなコースのひとつで、イベント全般も大好き。ヨーロッパのシーズンを締めくくるこのコースは、私とNinja ZX-10RRにとって相性がいいので、このまま好調をキープして、また表彰台をねらえるようにしたいですね。最近、ベースとなるセッティングが改善され、とくにリヤに自信が持てるようになりました。来週末のポルティマオで、セットアップの変更を試すのが待ち遠しいです」