ヨシムラ
バルセロナのカタルーニャサーキットで開催されたスーパーバイク世界選手権第8戦で、カワサキレーシングチーム(KRT)のジョナサン・レイ選手とアレックス・ロウズ選手は、スーパーポールレースで2位・3位を獲得したほか、レイ選手はレース1、レース2でもコンスタントに表彰台を獲得し、前戦と同じくシーズンチャンピオン争いで3位の位置に付ける結果となった。
まず、ドライコンディションで行なわれた土曜日のレース1の前に開催されたスーパーポール予選では、ロウズ選手が僅差の2位、レイ選手が3位となり、KRTライダーはそれぞれレース1をフロントローからスタートする好位置を確保した。
レース1はタイヤの選択と摩耗の程度が問われるレースとなったが、レイ選手はスタートで大きく押し出されて7番手となった。その後、しばらくは5番手をキープしていたが、徐々に順位を上げて残り4周の時点で2番手に浮上。その後、徐々に順位を上げ、残り4周の時点で2番手に浮上した。レイ選手は6度の選手権優勝の経験を活かし、序盤からハードに攻めようとする誘惑に負けることはなかった。他のライダーがタイヤのスピンやスライドでペースを落とすなか、レイ選手は辛抱強く走り、17周目に2番手に浮上。レイ選手は終盤、後方のゲルロフ選手からプレッシャーをかけられたが、そのまま順位をキープしてゴールした。
この表彰台獲得は、カワサキにとって190回目のトップ3入賞となった。
ロウズ選手は序盤から4ラップにわたって3番手につけていたが、徐々にライバルに抜かれ、最後の2ラップで2つポジションを落とした。最終的には7位でチェッカーを受けたが、残り2戦でのチャンピオン獲得に向けて好結果を残した。
明けて日曜日。スーパーポールレースは、すべてのスーパーバイク世界選手権で日曜日の朝に開催される伝統的なレースで、バルセロナを拠点とするKRTは、2つの表彰台を獲得することができた。ドライコンディションのなか、ロウズ選手とレイ選手は優勝したアルヴァロ・バウティスタ選手を最後まで追いかけた。レイ選手は終盤についにロウズ選手をパスして2位となり、ロウズ選手はホームグラウンドのドニントンパーク以来の表彰台を獲得した。
レース2は暖かいコンディションで行なわれることになった。レイ選手はレースのほとんどで表彰台を争ったが4位に終わった。終盤でギヤをニュートラルに入れてしまったことが原因で、3位以内を目指すことができなかった。その結果、レイ選手のレース結果は2位・2位・4位となり、ランキング3位でカタルーニャを後にすることになった。
ロウズ選手はスーパーポールレースの序盤から好調で、トップのバウティスタ選手にもっとも接近していたが、10周のレースではレイ選手に2位を奪われることになった。レース2では1周目で転倒し、燃料を満載した状態でフロントを失うという不運に見舞われた。
第8戦終了時点で、2022年のスーパーバイク世界選手権は4ラウンド、個人戦は12戦を残しており、第8戦カタルーニャのトリプルウィナー、アルヴァロ・バウティスタ選手が合計394ポイントでポイントランキング首位に立っている。もう一人のライバル、トプラック・ラズガトリオグル選手は335ポイントで、ジョナサン・レイ選手は327ポイントとなる。アレックス・ロウズ選手は161ポイントで総合7位だ。
KRTは9月26日(月)にカタルーニャで短いテストを行ない、28日(水)にはモーターランド・アラゴンで終日テストを行なう予定となっている。そして、10月7日から9日にかけてポルトガルのアルガルヴェ国際自動車レース場で開催される次回のスーパーバイク世界選手権第9戦に挑むことになる。
日曜日の日程を終えたライダー両名のコメントは以下のとおりだ。
ジョナサン・レイ選手
「スーパーポールレースでは予想どおりの展開となって今シーズン最高のスタートを切ることができました。その結果、すぐによいポジションにつけることができたので、レースの流れが変わりましたね。スーパーポールレースでは、アレックスのペースがすごかった。10周を過ぎたあたりから、アルヴァロと比べてもタイヤの状態がいいことがわかるようになりました。レース2はかなり楽観的に臨みました。気温は昨日より8度ほど高かったので、ロングレースだし厳しいレースになると予想していましたが、正直なところ、昨日よりもリズムが安定していたように思います。レース2では、残り6周の時点でT7でフォルスニュートラルを見付けてしまいました。エンジンブレーキが効かない状態でコーナーに進入し、フロントが跳ねてしまったので、転倒しないように必死でした。何とか表彰台に上ろうとしましたが、周回数が足りませんでした。もう少し上を狙えたと思うので悔しいですが、そうはいきませんでした。バルセロナに来る前は、タイヤの消費量、スピード、すべてにおいて厳しい戦いになると思っていました。最終的には2勝2敗4分となり、予想以上の結果でした」
アレックス・ロウズ選手
「今朝のスーパーポールレースで表彰台に上れたのはよかったですね。しかし、転倒してしまったのは残念でした。スタートで飲み込まれてしまいました。スタートはよかったのですが、加速で少し遅れてしまい、何人かに抜かれてしまいました。ラップの最初のほうは何とかうまくいって、トプラックの後ろにつくことができました。フロントタイヤは今朝のものより硬めにしていたのですが、グリップが十分ではなかったですね。そのせいで追いつかれてしまいました。ロングレースで表彰台をねらえるだけのペースがあったとは思えないですが、昨日からマシンを改良してきたのだから、ユーズドタイヤをもう少し使い続けることができれば、もっとおもしろいことになっただろうと思います。このコースは私にとってタフなもので、マシンにとってもある意味タフなコースです。だから、予選でいい結果が出せて、今朝のスーパーポールレースでもいい結果が出せたのはよかったですね」