2022年 鈴鹿8耐 KRT(カワサキレーシングチーム)

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ヨシムラ

8月7日(日)に決勝を迎え、日本中から注目を集めていた「2022 FIM世界耐久選手権“コカ·コーラ” 鈴鹿8時間耐久ロードレース 第43回大会」(以下、鈴鹿8耐)。スーパーバイク世界選手権に参戦中のカワサキレーシングチーム(KRT)を母体とした「Kawasaki Racing Team Suzuka 8H」(以下、KRT8H)を筆頭にカワサキ勢も大挙参戦し、熱い戦いを展開。現地はもちろんライブ中継などで見ていた人も少なくないのではないだろうか。

まず8月6日(土)に開催された練習走行と予選では、アレックス・ロウズ選手はブリヂストンのソフトタイヤを装着しての最初のフライング・ラップから、すぐに速さを見せた。一方でジョナサン・レイ選手はソフトタイヤでの最初の走行を十分に活かすことができず、ベストラップを更新することができなかったものの、ゼッケン10のKRT8HがトップのTeam HRCからわずか0.215秒差の2分05秒149の好タイムを記録した。本来ならスターティンググリッドを決めるために上位10チームによる「10ラップトライアル」が予定されていたが、悪天候の影響もあって40分間でのファステストラップによる予選へと変更されたことで、KRT8Hは2番グリッドからのスタートとなった。

明けて8月7日(日)の決勝。予選2番手のKRT8Hは9周目にトップに立ち、29周目から30周目にかけては消耗戦となっていた。そんな激戦が繰り広げられていたさなか、スタートから2時間を少し経過したころには他車の出火のため、この日2度目のセーフティーカーがコース内に入る。セーフティーカーは2台がコースインしたが、Team HRCが先頭のセーフティーカーに、KRT8Hはその後方のセーフティーカーに付くことになり、それまでの30秒程度の差が1分30秒程度も広がる結果となってしまった。

その後、トップとの差を縮めようとレイ選手はプッシュし続けたが、3時間45分ごろ、シケインで周回遅れの遅いライダーを2台抜こうとした際にまさかの転倒。すぐにレースには復帰し、直後のピットインを見送ってまで周回を続けたが、レース終了までに差を取り戻すことは不可能となった。

最後のスティントはハスラム選手が担当したが、レース終盤の1周を取り戻すのはどんなライダーにも不可能なことだった。

結果、KRT8Hは213周を走り、優勝したTeam HRCに1周遅れの2位でフィニッシュした。

一方、Kawasaki Plaza Racing Teamは岩戸亮介選手、岡谷優太選手、清末直樹選手が総合13位に入り、EWCフル参戦マシンと併催のスーパーストックカテゴリーで優勝を飾った。同チームは、レース中のスーパーストックで4度にわたってトップに立ち、31周目に再びリードを奪うと、そのまま最後まで走り抜けた。全205周を記録している。

2022年 鈴鹿8耐 KRT(カワサキレーシングチーム)

他のカワサキ勢の結果はというと、世界耐久選手権のレギュラーチームであるWEBIKE SRC KAWASAKI FRANCEは総合15位・EWCカテゴリー14位、KRP SANYOKOGYO&RS-ITOHは総合20位・EWC16位、TEAM HANSHIN RIDING SCHOOLは総合23位・SST5位、Team BIZENSEIKI Kirimoto Techno Worksは総合26位・SST6位、YSS Mercury with TKmは総合28位・SST8位、Auto Race UBE KEN RACING YICは総合33位・EWC24位、EVA RT 01 Webike TRICKSTARはマシントラブルが相次いだことで未完走扱いの総合41位・EWC30位という結果を残している。

久しぶりの鈴鹿8耐の表彰台には3つのメーカーが立つ(3位はYoshimura SERT Motul)ことになり、真夏の祭典は幕を閉じることになった。

2022年 鈴鹿8耐 KRT(カワサキレーシングチーム)

レース終了後、KRT8Hから出されたコメントは以下のとおりだ。

ジョナサン・レイ選手

2022年 鈴鹿8耐 KRT(カワサキレーシングチーム)ジョナサン・レイ選手

「チームと一緒にここ鈴鹿で本当に楽しい一週間を過ごすことができました。チームスタッフ、そしてチームメイトのレオンとアレックスのおかげで、素晴らしい雰囲気に包まれています。バックルームのスタッフや戦略担当者、ケータリング、栄養士、医師など、チームの一人一人が多忙なスケジュールのなかで懸命に働いてくれて、ここまで来ることができたんだ。1シーズンで2つの目標、スーパーバイク世界選手権と鈴鹿8耐を同時に達成するのは簡単なことではありません。ここでは大きな競争があり、ベストを尽くしました。そして、チームメイトをはじめとするみんなのハードワークを誇りに思います。2位という結果は少し悔しいですが、ベストを尽くしたからこそ、家に帰ることができたのだと思います。レースではいくつかのミスや問題もありましたが、それ込みで耐久レースであり、表彰台に立って自分たちの努力を誇りに思うことができます。カワサキとスポンサーの皆さまのおかげで、このような結果を残すことができました」

アレックス・ロウズ選手

2022年 鈴鹿8耐 KRT(カワサキレーシングチーム)アレックス・ロウズ選手

「タフなレースでした。この10日間を含めてスーパーバイク世界選手権の開幕戦からずっと、自分にとってベストな状態ではありませんでした。レースではできる限りのことをしたと思います。もう少しうまくやれたはずなのに、今日はスピードが足りませんでした。2位が精一杯でした。カワサキレーシングチームのみんなに、心からお礼を言いたいです。鈴鹿8耐のようなビッグイベントに挑むのは大変なことですが、テスト走行も含め、厳しいスケジュールをこなしてくれました。そして、チームメイトのレオンとジョニーにも大きな敬意を表したいです。彼らとともにこの場にいることができたことを嬉しく思います。みんな、本当にありがとう。この先、また戻って来て、もっといい成績を残したいですね」

レオン・ハスラム選手

2022年 鈴鹿8耐 KRT(カワサキレーシングチーム)レオン・ハスラム選手

「鈴鹿8耐はいつ来ても楽しいですね。今年のチームは本当に素晴らしい。チームメイトのジョニーもアレックスも、一人一人の努力は素晴らしかったですね。自分たちがやってきたことを最大限に発揮できたと思うし、誇りをもって家に帰れます。もちろん、勝ちたかったし、そのために改善したい部分もいくつかあります。でも、この8時間レースでは全員が最大限の力を出し切りました。雰囲気もいいし、チームも素晴らしかったから、みんなに大感謝です。鈴鹿8耐で再び表彰台に上れたことをうれしく思います」

ギム・ロダKRTチームマネージャー

「ここ鈴鹿でとてもよい経験ができました。KRTスーパーバイク世界選手権のプロジェクトを信頼して8時間耐久レースの運営を任せてくれたKMCに感謝します。KMCのエンジニアたちの大きなサポートと大きな助けのおかげで、我々は改善すべき点を何百とメモしてきました。ホンダは本当によくやりました。彼らを祝福しなければならないですが、2台目のペースカーが8時間のショーを台無しにしてしまいました。40秒近くをロスしてしまったのだから、ホンダのレベルを考えれば、タイムを取り戻すのは不可能でした。ジョナサンが2人の遅いライダーをパスしてプレッシャーをかけようとしたときに転倒したことで、ついに可能性がなくなってしまいましたね。アレックスは病気の後遺症でベストな状態ではなかった。レオンは素晴らしい仕事をし、スピードと経験を加えてくれました。KRTとKMCの皆さん、本当にありがとうございました。そして、スーパーバイク世界選手権プロジェクトの責任者であるKMCのシニアエンジニア、西山氏には多大な努力をしてもらいました。今後、またチャンスがあるかどうか見てみましょう」

2022 FIM世界耐久選手権“コカ·コーラ” 鈴鹿8時間耐久ロードレース ギャラリー
問い合わせカワサキモータースジャパンお客様相談室
電話番号0120-400819 ※月〜金曜 9:00〜12:00、13:00〜17:00(祝日、当社休日を除く)
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