ヨシムラ
チェコ共和国のオートドローム・モストで7月30日(土)、31日(日)に開催された2022年スーパーバイク世界選手権第6戦。カワサキレーシングチーム(KRT)のジョナサン・レイ選手は3レースで2度の表彰台に上る活躍を見せた一方、アレックス・ロウズ選手は体調不良でレース2を欠場するなど不本意ともいえる結果となった。
まず金曜日に開催されたスーパーポール予選では今季3度目、2戦連続でレイ選手が勝利。1分30秒947のコースベストを記録し、レース1のスタートポジションを獲得した。ロウズ選手は風邪をひいて体力を消耗させていたが5位のスタートポジションを獲得した。
土曜日開催で22周で争われたレース1の序盤、レイ選手はトプラック・ラズガトリオグル選手とトップ争いを展開。最終的に優勝したアルヴァロ・バウティスタ選手は10周目にトップに立つまで、そのすぐ後ろにいる状況。その後、レイ選手は4周にわたって先頭をリードしていたが、残り7周で2位、3位と順位を下げた。最終ラップではレディング選手と接近戦を展開し、表彰台獲得への最後のチャンスを逃した。
ロウズ選手は7位以内を目指していたが、最後の2周で腸炎を発症してさらに体調をくずし、2つ順位を落としたものの粘り強い走りで完走し、9位でポイントを獲得した。
明けて日曜日。午前中に行なわれた10周のスーパーポールレースでは、レイ選手はラズガトリオグル選手と見事なトップ争いを展開した。最終ラップで2台が入れ替わるなか、レイ選手がインからラズガトリオグル選手に迫ったが、出口ではらんでしまい、グラベルに飛び込んでしまうことに。その後、レイ選手はすぐにレースに復帰し、2位でスーパーポールレースの表彰台を獲得した。
ロウズ選手はというと腸の感染症で朝のウォームアップを欠席。スーパーポールレース序盤の10コーナーで転倒し、さらにレース1でも転倒…。モスト最終戦のレース2には出走しないことが決定した。
22周で争われるレース2では、レイ選手は表彰台を目指すために、序盤から数人のライダーをパスしなければならなかった。そして2度にわたってトップを維持したものの、22周を終えて3位となり、ポイントを獲得してシーズン前半を自信に満ちた形で終えた。
シーズンランキングではレイ選手が依然として総合2位につけている。ランキングトップのバウティスタ選手が298点で、次点のレイ選手が267点となり、ラズガトリオグル選手の260点と続く。ロウズ選手は113ポイントで8位だ。
スーパーバイク世界選手権は、9月9日から11日にかけてフランスのマニクールで開催される第7戦まで、長い夏休みに入ることになる。その前に、レイ選手とロウズ選手、そしてKRTのチームメンバー数名は、日本の鈴鹿8耐に参加。今回の鈴鹿8耐にはBSBのレギュラーライダーであるレオン・ハスラム選手も参加する予定だ。
日曜日の日程を終えたKRT両ライダーのコメントは以下のとおり。
ジョナサン・レイ選手
「スーパーポールレースはうまくいっていたし、リズムもよかった。最終ラップの15コーナーでは、トプラックに比べて強いと感じましたが、彼は他の周回とはまったく違うラインをとってきたんです。彼は守りに入っていて、足をフットペグから離していました。私はイン側に入りましたが、もちろん自分のラインも妥協する必要がありました。グラベルが十分にあったので、ペースを落として再スタートし、ポジションをキープすることができましたね。戦いは楽しかったし、ドニントンから感じていて土曜日にも悩まされていたブレーキングへの不満も今日はよくなっていました。レース2は序盤が混乱していて、とくに最初の2周はバッサーニとリナルディが激しくぶつかり合っていましたね。全般的には、終盤の6、7周目まではとてもいい感じだったと思います。ただ、そこからフロントが滑ったり、リーンアングルでチャタリングが起きたり、マシンが大きく動いていました。体力的にもかなりきつかったし、終盤は彼らのほうがペースがよくて、私にはそれ以上、どうすることもできませんでした。でも悔いはありません。マシンのセットアップが昨日よりもよくなっていたのだから、間違いなく進歩しています。よりコントロールしやすくなっていたし、マシンやサーキットを楽しむことができました。トプラックとアルヴァロの二人には『おめでとう』と言いたいです」
アレックス・ロウズ選手
「本当に残念。体調をくずしてレース2に出られなかったのはとても残念。本当に残念だし、悔しい。ウイークを通じてスピードもペースもよかったのですが、残念ながら思うような走りができませんでした。準備とフィットネスを重要視している私にとって、このような週末を受け入れるのは本当に辛い…。でも今は、鈴鹿8耐までにしっかり休んで、調子を上げていくことに集中しています。短期決戦で移動も多いので、リラックスして臨みます」