ヨシムラ
4月9日・10日の両日、2022年FIMスーパーバイク世界選手権の開幕戦がスペインのアラゴン・サーキットで開催された。FIMスーパーバイク世界選手権は1ラウンドごとに2デイで通常周回(18周)のレース1とレース2、スプリント(10周)のスーパーポールレースの合計3戦が行なわれる大会だ。
その開幕戦でカワサキレーシングチーム(KRT)のジョナサン・レイ選手は土曜日開催のレース1で優勝! 続く日曜日開催のスーパーポールレースとレース2で2位を獲得し、土日で3度の表彰台を獲得した。アレックス・ロウズ選手は、レース1で無念の転倒リタイアとなり、日曜日のスーパーポールレースとレース2ではそれぞれ6位と5位を獲得した。
レース1は白熱したトップ争いが展開。序盤はレイ選手とトプラック・ラズガトリオグル選手、アルバロ・バウティスタとの3台が激しく競い合い、最終ラップではラズガトリオグル選手がスローダウンしたため、レイ選手がバウティスタ選手とのバトルを制し、そのまま優勝を飾るかに見えた。ところがブレーキングゾーンに差しかかったところでバウティスタに抜かれる。しかしレイ選手が最終コーナーでインを突いて抜き返し、そのままの順位でゴール。わずか0.090秒差で優勝をはたした。
一方、5位につけていたロウズ選手はセカンドグループの先頭を走っていたが、7周目の第12コーナーで転倒し、再スタートすることができなかった。
明けて日曜日。午前中に行なわれた10周のスーパーポールレースで、レイ選手はレース後半までマイケル・ルーベン・リナルディ選手の挑戦を受け続け、結果的に2位を獲得した。ロウズ選手はスーパーポールレースで6位となり、今季初ポイントを獲得した。
フルグリットとなったレース2では、レイ選手が再びトップ争いに加わり、後半は後続との差を広げて2位を獲得した。ロウズ選手はレース2で5位という結果に終わり、開幕戦のベストリザルトを獲得した。
まだ初戦ではあるが、シーズンランキングではレイ選手が54ポイントで総合2位。ランキングトップはバウティスタ選手が57ポイント。ロウズは15ポイントで総合8位となっている。
次戦となるFIMスーパーバイク世界選手権第2戦は、4月22日〜24日、オランダのアッセンで開催される。
全日程終了後、KRTからのコメントは以下のとおりとなる。
ジョナサン・レイ選手
「スーパーポールレースは激戦でした。2位争いをするのが精一杯で、トプラック選手やリナルディ選手との争いは激しかったですね。自分のリズムで走るためにフリーラップを取ることができませんでしたが、それもまた楽しいことです。その小さな “ミニバトル”でトップに立てたのはよかった。スーパーポールレースと同じように、レース2も他のライダーと絡んでいっただけ。自分のペースはアルバロ選手と同じような感じでしたが、コースはクリアでした。リナルディ選手とトプラック選手はコース上のポジションを取ることに夢中で、私は自分のリズムを作るのに必死でした。速く走るためにはクリアなコースが必要ですが、それを手に入れるまでに時間がかかってしまいましたね。レースはとてもアグレッシブで、何度もミスをしました。風が強くて、しかも風向きが変わってしまった。昨日はストレートで大きな追い風が吹いていたけど、今日は向かい風で、T1でも追い風になった。でも、結果には満足しています。今日のベストは、本当にハッピーで、アッセンに向けて前進しなければなりません」
アレックス・ロウズ選手
「今週はずっと、ハードワークをしてもなかなかいいセッティングが見付かりませんでした。冬の間にユーズドタイヤで走りすぎたのか、いざというときに思うようにスピードが出なかったですね。でも今日は、昨年よりも速いタイムが出たので満足しています。暑いコンディションのなかでもフィーリングはとてもよくて、上位のライダーたちからそれほど離されてはいない。コンマ数秒足りないだけで、他のライダーよりは一歩前に出ているんです。悪くないですよ」