ヨシムラ
カワサキレーシングチーム(KRT)のスーパーバイク世界選手権ペア、ジョナサン・レイ選手とアレックス・ロウズ選手は、2月8日と9日の2日間、アルガルヴェ国際サーキットで行なわれるテスト走行に意欲を見せている。
スペインのヘレスサーキットで行なわれたテストでは、Ninja ZX-10RRに新しいパーツとセッティングをほどこしている。KRTにとってへレスとサーキットデザインが異なるポルトガルでテストを行なうことは、これまでのデータを比較することができる貴重な機会だ。
1月に行なわれたヘレステストでは、半日しか走っていないにもかかわらず、驚異的なラップタイムを記録した6度のワールドチャンピオン、レイ選手は、すでに2022年モデルNinja ZX-10RRでその圧倒的な速さを証明している。またロングランもこなしたことはチームにとってうれしい結果となり、その情報はすでに日本のカワサキモータースのエンジニアにフィードバックされている。
ロウズ選手は2021年シーズンは怪我に悩まされ、シーズン後はフィジカルコンディショニングに励んできた。レイ選手と同様、2021年シーズン終了後に行なわれた2回のウィンターテストでは、2022年のレースセットアップの最終的な方向性を決める上で自信となり、有益なものとなったようだ。
全長4.592kmのアルガルベ・サーキット(通称ポルティマオ)は、スーパーバイク世界選手権カレンダーの中でもっとも傾斜が激しく、ブラインドコーナーの数が多いのが特徴で、テストやレースの場として非常に人気がある。今シーズンでは第9戦として10月7日から9日にかけて開催される予定である。
今回のテストでチームは必要なデータを収集し、3月25日、26日にカタルーニャのモントメロ(Montmeló)で行なわれる次のテストまでに調整と改良を行なう予定だ。
テストを前にしたKRTからのコメントは以下のとおりだ。
ジョナサン・レイ選手
「とくにポルティマオは大好きなサーキット。ヘレスでのシェイクダウンテストを経て、2021年12月から2022年1月にかけて行なったテストでの成果を確認することが最大の目標です。というのも、いくつかのサーキットでこれらの項目を確認することができれば、それは我々が正しい道を歩んでいることを意味するからです。このままパッケージを作り続けていくつもりです。昨年よりマシンは確実によくなっています。ヘレスではロングランができたし、マシンと私のライディングスタイルにポジティブな点がいくつか見付かったので、あとはタイヤの挙動や新しいアイテムについて、走って情報を得ることに集中したいですね。天候が安定して、シーズン開幕に向けてパッケージングを進めていけることを願っています。ポルティマオではより多くのマシンがコースインし、多くの主要メーカーがテストに参加する予定で、全員が揃う最初の本格的なテストとなります」
アレックス・ロウズ選手
「最近のヘレステストは、新しいパーツのチェックをするためのテクニカルなテストでした。クルーチーフのマルセルがとてもテクニカルな人なので、新しいパーツを試して、何がよいのかを分析したんです。ポルティマオはカワサキでいつもいいフィーリングを得ているコースで、2021年モデルのNinja ZX-10RRのベースセットアップもよいものを持っていると思います。だから、新しいパーツを比較するのはとてもいいこと。新しいパーツでそのフィーリングを向上させることができれば、今シーズンはうまくいくはずです。2つの異なるサーキットで試すことで、両方のサーキットでポジティブな結果が得られれば、新しいシーズンに向けてそのベースセットアップに自信を持つことができます。忙しいテストになりそうです。できるだけ多くのライディングをして調子を取り戻したいですね。シーズン終了後、体調管理にはかなり気をつかっています。というのも、もし僕が健康であれば、マシンにどんな変更を加えても、それが一番大きな違いになることがわかっているからね。マルセルと一緒に何日間走るかという計画を立てます。このテストのあとは大きな休みに入るので、日本のみんなやチームのエンジニアにしっかりとフィードバックして、3月末のモントメロまでの休みの間にハードワークできるようにしたいです。ポルティマオは重要なテストになるので、ライバルたちと比較して自分たちがどの程度のレベルにあるのか、確認するのが楽しみです」
ギム・ロダ(KRTチームマネージャー)
「当初はポルティマオでのテストは考えていませんでした。しかし、マシンのチェックポイントがいくつかあったため、異なるコースで比較してみたいと考えています。ポルティマオとヘレスはかなり違いますからね。また、次のモントメロテストまで1ヶ月のギャップがあり、今年の初戦の10日前まで作業を続けることができます。だから、このポルティマオでのテストは絶好の機会だと考えていました。そこで、サーキットを借りているドゥカティと一緒に、このテストを行なうことにしたのです。我々としては、ヘレスでテストした項目の継続のようなもので、バイクのセットアップの方向性や、これまで受け取ったアイテムの性能を再確認し、確認するためのものです。ライダーとのコンビネーションで、ベストなマシンセットアップができるようにするためです」