ヨシムラ
カワサキレーシングチーム(KRT)のジョナサン・レイ選手とアレックス・ロウズ選手は、スペインのヘレスサーキットで行なわれたスーパーバイク世界選手権のウィンターテストを成功裏に終えた。レイ選手は全長4.423kmのサーキットで最速タイムを記録し、ロウズ選手は2022年シーズンに向けたベースセッティングの最終決定に向けて、また大きな一歩を踏み出した。
ウィンターテストは2日間の予定で、2日ともスペイン南西部は晴天に恵まれ、風もなく、ドライコンディションでのテストとなった。
レイ選手は初日と2日目の午前中は走らず、最終日の午後にセットアップ項目の再確認を行なった。またピレリのニュータイヤを試し、自信を深めるためのロングランも行なった。このようなスケジュールのなかでも、レイ選手は4時間の走行で61ラップ中57ラップ目に1分38秒851という驚異的なタイムを記録した。2日間のテストに参加したライダーで1分38秒台で周回したのはレイ選手ただ一人だった。
一方でロウズ選手はテストの両日とも午後に走行。初日はNinja ZX-10RRのフロントエンドのセットアップを中心に行ない、最速のペースを記録した。初日は41周、2日目は59周を走行。初日は41周、2日目は59周を走行し、レイ選手の後塵を拝して2番手となった。
次回のKRTプレシーズンテストは、2月8-9日、ポルトガルのアルガルヴェ国際自動車レース場で開催される予定だ。
テスト終了後にKRTから出されたコメントは以下のとおりとなる。
ジョナサン・レイ選手
「タイムや順位はこの時期にはあまり重要ではないですが、マシンに戻れて本当によかったですね。2021年12月のテストでは、マシンのフィーリングもよく、とても速かったです。しかし、オフシーズンに休暇をとっていたため、体力的にはあまりよくなかったですね。でも、クリスマス前にコーチと一緒に冬のトレーニング・プログラムを始めてから、バイクのフィーリングはずっとよくなりました。すでにレースのシミュレーションも行ないました。バイクには新しいアイテムがいくつかあるので、ロングランでそれをテストする必要があります。でも、それが終わってみると、とても前向きな気持ちになれました。シャシーもいくつかテストしたし、ピレリも新しいタイヤを用意してくれました。電子部品もいくつか新しいものがありましたし。これからまた別のサーキットで再テストを行なう必要があります。2月の初めにはポルティマオに戻る予定です。そこでは、2022年バージョンのNinja ZX-10RRがどのように機能するかを見るのが楽しみです」
アレックス・ロウズ選手
「最終日は忙しかったですね。いろいろと試行錯誤をしましたが、午後からは簡単にはいかなかったです。あるものはよくなり、あるものはもっと注意が必要になりました。でもエレクトロニクスの面では、これまで苦労してきたことを数歩さかのぼって前進させるということでした。そういう情報をみんなに伝えることができたのはよかったですね。次のテストまでに、さらに一歩前進するために努力しなければならないですが、いいテストになりました。フロントのほうは、ショーワのフォークとシャシーのセッティングを変更しました。とくにコーナー進入のフィーリングがよくなりました。次のテストでは、もう少しリヤにフォーカスする予定です。マシンに戻ってくるのが楽しかったし、チームとまた一緒に仕事ができたのもよかったです。今日は昨日よりもハッピーでした」
ペレ・リバ(ジョナサン・レイ クルーチーフ)
「初日は走らなかったし2日目は半日だけで、テストは短かったですね。全部で4時間のテストでした。2021年12月に実施したことの再確認と、前回のテストから新たに作り上げたものを比較するため、主にシャシーに焦点を当てました。ジョニーの感触はとてもポジティブで、とてもよく働いてくれているし、ラップタイムも好調でした。ロングランも結果はポジティブなものでしした。ジョニーは素晴らしい、素晴らしい仕事をしました。ピレリの新しいタイヤをテストし、新しいエレクトロニクス戦略について最初の情報を得ることができましたし。この結果には満足しています。今はみんな、次のポルティマオでのテストを楽しみにしていますよ」
マルセル・デュインカー(アレックス・ロウズ クルーチーフ)
「テストプログラムにはかなりの項目があり、そのほとんどは2021年12月のテストに参加していたものです。でも、マシンのキャラクターを一新するためには、1回以上のテストが必要なのです。今すぐレースができるような完璧なセットアップを求めていたわけではないですが、許容できるペースになったところで、テストプログラムに従った作業を開始しました。テスト項目の9割がポジティブなものだったので、非常に効率的なテストだったと思います。ジョニーは信じられないほど速かったですが、完璧なレース用セッティングを求めていたわけではなく、すべての項目をテストする必要がありました。ポルティマオには自信を持って臨むことができます。まだ多くのテストが残っていますが、すでにシーズン開幕に向けてレースマシンの仕様を95%ほど決定することができました」