ヨシムラ
世界耐久選手権(EWC)に一度も欠場することなく、カワサキエンジン搭載車で耐久レースに挑むチーム・ボリガー・スイス(Team Bolliger Switzerland)。1982年に設立されたこのファミリーチームは、2022年FIM世界耐久選手権に参戦するライダーのラインナップを完成させたと発表した。
元レーサーのハンスペーター・ボリガーが設立したこのチームは、現在ボリガーの29歳の息子であるケビンによって運営されており、40シーズンを数えるEWCへの継続的な参加を統括している。
2022年シーズンは、先月発表されたオーストリア人ライダー、ニコ・トゥーニ(26歳)が既存ライダーのイアン・ビューン(ドイツ)とイエスパー・ペリイエフ(スウェーデン)とのパートナーとなるほか、オランダ人のナイジェル・ウォルラベン(31歳)をリザーブライダーとする予定だ。
ウォルラベンは、チーム・ボリガー・スイスで3シーズン活躍しており、ライダーとしてのキャリアを終える最後の年のEWCで、4人目のライダーとしてチームからオファーを受け、喜んで承諾したとのこと。
以下はEWC公式サイトに掲載されたケビン・ボリガーのコメントだ。
「過去に激しいクラッシュを経験したナイジェルが、最後のシーズンに向けて我々のチームに参加できることをうれしく思っています。シーズン終了後はライダーのコーチとして残り、2023年のレースではライダーが必要とするすべてのものを準備する予定です。ナイジェルは家族の一員であり、たとえレースで彼を必要としなくても、彼の経験は重要なものになるだろうし、レースで彼が必要とされれば、よい仕事ができるスピードを持っていることはわかっていますからね」
2022年のEWCカレンダーは、ル・マン、ボルドールに加え、24H SPA EWC Motosが加わり、3つの24時間レースとなる。
「メカニックにとっても、機材にとっても、ライダーにとっても、24時間レースが2回あるだけでも大変なのに、SPAではまたいいレースができます。父と一緒にSPAで走った子供のころの思い出もたくさんあるし、いいシーズンになることを期待しています」
2021年のFIM EWCインディペンデントチームランキングで11位となったボリガーは、2022年にはもっと上位でフィニッシュするつもりでいるとのこと。
「新型コロナウイルス感染症のパンデミックの影響でまだ難しい状況ですが、成功しない理由にはなりません。プライベーターチームである私たちは、6つのファクトリーチームが優勝をねらっていることもあり上位にいるわけではありません。しかし、もしもこれらのチームが故障したり、不具合を起こしたりした場合、我々の仕事はこれらのチームの後ろにいて、順位を上げ、レースで堅実な走りをしてポイントを獲得することです。我々の最大の目標は、失敗を犯さず、最高のプライベーターチームになることです。目標はトップ5でシーズンを終えること。大きな目標ですが、私はいつも『目標には力を込められるだけの大きさが必要で、達成したいと思えるものが目の前になければならない』と言っています。つねにトップ10入りするのは難しいですが、ル・マンで4位に入ったときのように可能性はあります。ファクトリーチームにできるだけ近づき、ポイントを重ねていくつもりです」
チーム・ボリガー・スイスは、2月25日から27日までの3日間、スペインのバレンシアでテストを行ない、プレシーズンの準備を開始する予定となっている。また、3月3日から6日にかけてスイスのベルンで開催されるモトフェスティバルで、EWC2022に向けた新しいカラーリングデザインを発表する予定だ。