SPA直入で抜群の人気を誇るKAZE SPA直入ライディングスクール。昨年は新型コロナウイルス感染症の影響で延期などを余儀なくされたものの、2021年は万全の対策を講じて、去る6月に開催された。
四半世紀にもおよぶ充実のスクール
約25年前、サーキット主催のライディングスクールとして、九州で初めてSPA直入がスクールを開催した。そのスクールが『初級者のためのライディングスクール』と『中級・上級者のスキルアップスクール』であり、2010年からこの2つのスクールを統合した『KAZE SPA直入ライディングスクール』が開催されている。今回は、去る6月に開催されたこのスクールを取材した。
昨年はコロナ禍の影響で数回順延されたが、今年は入場時の体温チェック、接触確認アプリの活用、サーキット内でのマスク着用などを徹底して開催されている。ブリーフィングは基本的に屋外もしくは入口と窓を全開放で行なう方針がとられ、また参加募集もコロナ禍の影響も加味し、通常の1/3程度の定員に減らしての開催となった。
いざ募集を開始すると初級クラス/中・上級クラスとも多くの参加者が集まった。近接時はマスク着用、屋外でもソーシャルディスタンスをたもちながら、健康面と走行面の安全を両立させつつレクチャーを受けているみんなの姿が妙に印象的であった。サーキットを第2の教習所と位置付け、反復練習の重要性やマンツーマン指導を重視しているSPA直入ライディングスクール。SPA直入林所長が語る「公道での安全」が目的であり、また真の願いなのである。
今回のライディングスクールに参加者していた車両の一部。メーカーやジャンルなどに参加規程はなく、小型から大型、スーパースポーツからアドベンチャー、新旧カワサキ車など、参加車種はとても幅広かった

早朝、開校式での挨拶と説明のようす。今回も多くの参加者が来場していた。コロナ禍ということもあり、屋外&ソーシャルディスタンスをたもった状態でのスタートとなった
中・上級クラスのブリーフィングのようす。こちらも通常は屋内で行なわれるのだが、昨年より屋外に変更。クラスごとに振り分けての注意事項などの説明が行なわれている
インストラクターが、実車を使用したカタチでグリップの握り方やステップの足の位置、ライディングフォームなどのアドバイスをしてくれる
ホワイトボードや書面を使った説明はさすがに屋外というわけにもいかないため、休憩所を開放して行なわれた。無論、参加者もインストラクターもマスク着用は必須である
コースインの前に準備運動。ツナギは上下がつながっているモノ、ブーツは高さが200㎜以上で足首を完全に覆うものなど、すべて皮革製品を推奨している
インストラクター&先導車
近年のバイクの高性能化とリターンライダーの増加などにより、このようなライディングスクールは全国各地で開催されている。SPA直入ライディングスクールの最大の特徴は、豊富な経験と一般ユーザーに近い視点を持つ講師陣をそろえ、参加人数を絞ることでマンツーマン指導を可能としていること。とにかく“ケガしない/させない”をモットーに、安全で楽しく学べるスクールとなっているのだ。
講師陣は元・チームグリーンライダーである柳川 明校長はじめ、西嶋 修、三好正人、山口尚之、田中公司、蒲谷朋大、原田武人(※順不同/敬称略)と超豪華な顔ぶれ!
運営母体がカワサキということもあり、先導車に採用されている車種はカワサキ車だが、NinjaZX-10R/RRなど、スーパースポーツを主体としていた
濃厚なレッスン
SPA直入は全長1,430mと、他のサーキットと比較すれば短いが、大小9つのテクニカルなコーナーがあり、同じコーナーを記憶が鮮明なうちに何度も走ることで、より効果的な反復練習を行なうのにまさにうってつけのコースだ。レッスンはこのコース全体を完全貸切り状態で行われるうえに、余裕のあるタイムスケジュールとインストラクター1名に対し5~6名程度の参加者数に抑えることで、綿密かつていねいなアドバイスが可能となっている。まさにぜいたくなライディングスクールなのである。

コースを使ってのレッスンは先導や追走などで、参加者の走行をインストラクターがチェック。インカムを使ってリアルタイムにレクチャーしている場面もあった
追走で参加者の走行をチェックする他、動画撮影のオプションも用意。マンツーマン走行中のライディングシーンを後方から撮影してもらい、後日DVDを郵送してもらう
ライディングスクールはコース以外に、パドックなどのスペースを使っても実施。写真はパイロンを置いてのスラロームのようすで、走行の合間にインストラクターからのアドバイスが入る
少人数制のライディングスクールゆえに、インストラクターが個別にアドバイスしてくれる。「こんな低レベルな質問は…」と決して臆することなく、どんどん質問してほしい

大分県の北西部に位置する竹田市直入町にあるSPA直入。九重連山を西に望み、とても静かで風光明媚な場所ゆえ、来るだけでも十分にいやされる二輪専用サーキットだ!
練習走行に入る直前のピット前風景。一斉にコースインしそうな雰囲気であるが、実はクラスごとに一列ずつにコースイン。どの段階でも安全性をしっかりと考えた構成で行なわれている
カリキュラム内には、コースの中に入ってインストラクターの走行を間近で見られる時間も設けられている。通常では絶対不可能なこういったことも、ライディングスクールならではの特典だ
練習走行前には広大な駐車場スペースを活用してのスラローム&急制動の練習も…。サーキット内を走るだけではなく、こういった基礎的な練習も大切なのだ
今回のKAZE SPA直入ライディングスクールの参加者たち。コロナ禍ゆえ参加人数の減少が心配されたものの、いざフタを開けば初級、中・上級クラスとも多数参加。その人気は今なお健在だ