ヨシムラ
2021年11月21日に2021年シーズンを終えたばかりのスーパーバイク世界選手権。しかし休む間もなく、カワサキレーシングチームは2022年スーパーバイク世界選手権に向けて、12月15日から17日にかけてスペイン南西部に位置する全長4.423kmのヘレス・アンヘル・ニエトサーキットで、6度の世界チャンピオンに輝いたジョナサン・レイ選手と、アレックス・ロウズ選手が3日間のテストを実施する。
クリスマスや年末年始の短い冬休みを前に、スーパーバイク世界選手権仕様のNinja ZX-10RRにアップグレードやテストパーツを装着し、両ライダーが評価するためのテストだ。
2021年シーズンはスリリングかつ激戦の末に、惜しくもシリーズチャンピオンに届かなかったカワサキレーシングチームだが、2022年シーズンは各ラウンドでレースパッケージ全体を向上させることに焦点をあてるとのこと。
ジョナサン・レイ選手は2021年、他のどのライダーよりも多くの表彰台を獲得し、最終戦のインドネシアで両レース優勝をはたした後、新チャンピオンのトプラック・ラズガトリオグル選手に並ぶ13勝を挙げた。
アレックス・ロウズ選手は負傷の影響を受けたシーズンにもかかわらず、2021年に5回の表彰台を獲得。ロウズ選手は完全回復への道を歩み続けているが、ヘレスでもテストを行ない、真冬の休暇が始まる前にすべての新アイテムとセットアップオプションを評価できるようにする予定となっている。
2022年のスーパーパイク世界選手権の暫定カレンダーはすでに発表されており、初戦は4月8日から10日にかけてモーターランド・アラゴンにて開催される予定だ。
カワサキレーシングチームからの声明は以下のとおり。
ジョナサン・レイ選手
「シーズン終盤の好調を維持するために、クリスマス前にマシンに戻れて本当にうれしいですね。ヘレスでは多くのデータが得られるのでテストには最適なサーキットです。また、ヘレスはこれまで僕らにとっては決して得意なサーキットではなかったから、弱い部分を補うこともできます。カワサキモータースとカワサキレーシングチームは新しいシャシーとエレクトロニクスの開発に懸命に取り組んできたので、テスト項目がいくつかあるのはとてもいいことです。我々はマシンのフィーリングを向上させ、いい形で協力し合い、エンジニアたちに確かな情報を提供してパッケージ全体を改善することを目標としています。ラップタイムやその他のプレッシャーはありません。天候がよくて安定してくれて、たくさん走れることを期待しています」
アレックス・ロウズ選手
「このテストは2022年に向けて、我々のパッケージの方向性を決めるために重要なものです。まだ100%の体調ではないけれど、今はパフォーマンスにこだわる必要はないですからね。クルーチーフのマルセル、エレクトロニクス・エンジニアのダニーロ、そしてテクニカル・チームのみんなががんばってくれて、私が試せるようにたくさんのオプションを用意してくれています。我々が何を改善できるのか、とても楽しみにしています。これらの項目をすべてクリアできれば、忙しいテストになるだけでなく、仕事が終わったようなものですね」
ギム・ロダ チームマネージャー
「今回のテストでは、2021年シーズンの惰性で走り、来年に向けて改善すべき点をチェックする予定です。主にカワサキモータースが取り組んできたいくつかのポイントの再確認と、今シーズンの内容を向上させるためのセットアップの方向性の再確認となります。へレスでの3日間は、我々の競争力を向上させるために使うつもりです。ライダーのテスト日の制限もあり、すべてのコースタイムを使うことはできないので、可能な限り最善の方法で物事を管理し、よい結論を出したいと思います。それ以外は、今シーズン使ってきたベストな方向性で作業を続けていきます。2021年は目標達成にかなり近づいたので、大きな変化ではなく、少し苦手だとわかっている部分を磨いていくことになるでしょう」