ヨシムラ
EICMA2021で発表された2022年モデルのVERSYS(ヴェルシス)650。久しぶりの大幅なアップデートが加わり、VERSYSブランドのフラッグシップモデル「VERSYS 1000」シリーズにインスパイアされた新しいスタイリングへ変更したほか、荒れた路面や滑りやすい路面などでも安定した走行をサポートするKTRC(カワサキトラクションコントロール)を新たに装備したほか、乗車したまま簡単に高さを変更できるウインドシールドや、LEDヘッドライト、スマートフォンと連携可能な4.3インチフルカラーTFT液晶スクリーンメーターを新採用したのが大きな違いだ。
各部を見ていくと、やはり一番の違いはフロントフェイスだ。Ninja400などを思わせるデザインとなっており、VERSYS 1000と共通イメージを持たせている。ちなみにNinjaシリーズからの流用ではなく再設計されたカウルとなっている。また、スクリーンは4ポジションに変更可能となっているとのこと。
メーターも前モデルまでの上下2分割式のデジタルメーターから1面の4.3インチTFT液晶メーターとなり、コックピットのイメージを刷新したのと同時に視認性もアップされている。スマートフォンのBluetooth接続を備えたTFTカラーメーターはマシンと電話をリンクして、カワサキのRideologyアプリにアクセスできる。このアプリでは多数のマシン機能や、経路の概要やその他の機能を監視できるようになっている。
新たに搭載されたKTRCは2つのライダー選択モードを用意。このKTRCを介して安心感を提供しながら649cc並列2気筒エンジンの人気の本質を変えることなく、日常から週末のロングツーリングに至るまで、幅広いニーズに快適性を与えるとしている。
カワサキヨーロッパ(Kawasaki Motors Europa N.V.)ではオプション装備を装着しない状態のVERSYS 650をアーバンモデルとして位置付けているようで、さらにバリエーションモデルとして左右にサイドパニアを装着したVERSYS 650 TOURER、さらにLEDフォグランプを装着するVERSYS 650 TOURER PLUS、さらにトップケースも採用するVERSYS 650 GRAND TOURERの4タイプをカタログモデルとして紹介しているが、上記オプション以外にもUSBコンセントなど多数の実用的なアクセサリーを用意しており、ユーザーはさまざまなアクセサリから自由に指定して、カタログマシンとしての4タイプ以外の独自の「Versysビジョン」を作成することもできるとのことだ。
なお、以上の情報はカワサキヨーロッパにて紹介されている内容であり、国内販売モデルの仕様とはおそらく異なる部分も出てくるだろう。詳細に関してはカワサキからの続報を待ちたいが、リッタークラスは持て余してしまい、250㏄や400㏄では物足りないというユーズをがっちり握りそうなVERSYS 650。国内発売にも期待したい。