ヨシムラ
11月20日・21日にインドネシアのマンダリカ・サーキットで開催された2021年スーパーバイク世界選手権第13戦。しかし暴風雨により20日の予定はすべてキャンセルされ、21日にすべてのレースが開催されるという波乱からスタートした。この日程変更の影響で通常だとレース1、スーパーポールレース、レース2と3つのレースが開催される当初の予定も、レース1とレース2のみの開催に決定。レース1は一時降った雨のため15分間スタートが遅れて20周となったほか、レース2も雨の影響でコース点検に1時間以上を要したことから21周から12周に短縮されることになる。
そんななか注目のジョナサン・レイ選手はレース1で時にはリードし、時には3人のライダーと競い合うという、献身的で決意に満ちたパフォーマンスを発揮。6度の世界チャンピオンになった戦闘力を存分に発揮し、レース1で優勝を飾った。このレース1優勝でレイ選手は25ポイントを獲得し、総ポイント数を526ポイントとした。
ただし、このレースまでにランキングトップに立っていたトプラック・ラズガトリオグル選手がレース1で2位に入賞して20ポイントを獲得。この結果により551ポイントを獲得したラズガトリオグル選手がほぼシリーズチャンピオンを決定づけた。
レース2でもレイ選手はレディング選手との一騎打ちを制して今季13度目の優勝をはたしている。この結果、総ポイント数を551ポイントに伸ばしたものの、ラズガトリオグル選手がレース2で4位に入賞して13ポイントを積み上げ、最終的に564ポイントを獲得。レイ選手の2021年スーパーバイク世界選手権のシリーズチャンピオンの座、そして7連覇という夢は残念ながら幕を閉じることになってしまった。参戦車両のメーカーが競うマニュファクチャラーズランキングもカワサキは3位という結果となっている。
なお、レース2終了後のスローダウンラップでレイ選手はコースサイドに止まり、スタッフがNinja ZX-10RRのゼッケンをレイ選手のパーソナルナンバーといえる65番のゼッケンに付け直した後、表彰台のセレモニーに戻っている。
アレックス・ロウズ選手はというと、右肩のケガの影響でマンダリカの両レースに出場できなかった。ただ、今シーズンはケガの影響でレースに出られないこともあったが5回の表彰台を獲得し、総合8位で2度目となるカワサキ・レーシング・チームでのシーズンを終えることになった。
レース終了後、ジョナサン・レイ選手から出されたコメントは以下の通りだ。
ジョナサン・レイ選手
「最高のレース日和で、とても満足しています。金曜日のフリー走行1の後、いくつかの困難に直面しましたが、このような形で挽回することができて、ドライでも勝てて、ウエットでも勝てて、とても嬉しいです。とくにマンダリカのファンにとっては、レース2に出場できたことはとてもうれしいことでした。主催者が豪雨のあとの時間を使って、コースの評価にイエスと言ってくれることを私は強く望んでいたんです。出場が決まったとき、私はレースに興奮していました。本当に興奮しました。レース2では直接、いいペースを出そうとしたが、トプラック選手とスコット選手もとても速かったですね。彼らの速さを理解していたので、失うものは何もないと思い、最高の状態でレースに臨みました。それが今回の目標で、自分の努力に満足して帰ることができました。今年は悔いのないレースができたと思います。毎回、心を込めて最大限の力を発揮しました。トプラック選手と彼のチームに祝福を贈ります。彼らは素晴らしいシーズンを過ごしたし、とても速かったです」