ヨシムラ
コートニー・ダンカン選手とBike It MTX Kawasakiは、10月23日にイタリアのトレンティーノ州ピエトラムラタで開催されたFIM世界女子モトクロス選手権(WMX)の最終ラウンドにて、3年連続のタイトルを獲得した。
ニュージーランド・ダニーデン出身のコートニー・ダンカン選手は、シリーズポイントで16ポイントの差をつけて最終戦に臨んだが、先週末のスペイン大会で指を骨折するという痛手を負っていた。朝の予選では、ポールポジションから2/3秒差の3番手ゲートを獲得したが、ヒート1では第1コーナーで押し出され、第3コーナーでは後ろから追突されてトップとの差を広げられてしまう展開に。しかし、慌ただしいオープニングラップを落ち着いて走ると8位につけ、その後、前を行く選手たちを次々と抜き去っていき、4周目の時点ですでに3位につけていた。
スタート時にもっとも近い位置にいたライバルはオープニングラップで不運に見舞われていたため、ダンカン選手はタイトル防衛の成功が近づいていることを実感し、ポイント争いに残っているライバルにねらいを定めた。3連覇を達成するためにはパスするリスクを冒す必要はないことを確信していた彼女は、後方からの新たな脅威がないことを確認して3位でチェッカーフラッグを受け、3シーズン連続でWMXの個人世界タイトルを獲得した。
ヒート2でも滑りやすい路面で慎重にオープニングラップを終えたダンカン選手は、2周目に早くもトップに立ち、8秒もの差をつけて今季5度目の優勝をはたした。
重要なポイントは、数値的にすぐれたライバルを相手に、カワサキが3年ぶり2度目となるFIMマニュファクチャラーズタイトルを獲得したことでもあった。
ダンカン選手とカワサキとのパートナーシップは、最初から素晴らしい成功を収めた。2019年にスティーブ・ディクソンのチームとカワサキ・モータース・ヨーロッパとのパートナーシップを開始して以来、3つの個人タイトルを獲得し、カワサキを2つのマニュファクチャラーズタイトルに導いただけでなく、16戦中10戦で優勝し、32ヒート中19ヒートでトップチェッカーを受けている。しかもトップ3に入れなかったのは4回だけだった。さらに驚くべきことに、この成功は、わずかなアフターマーケットのパーツを使用しただけで、生産ラインから直接供給されたKX250マシンに乗って達成されたものであり、グリーンのバイクは、3シーズンのレースを通じて一度も機械的な故障を起こさず、100%クリーンな状態をたもっていることでもある。
3連覇をはたしたコートニー・ダンカン選手は以下のようにコメントしている。
「3度目の世界タイトルを獲得し、言葉では言い表せないほど素晴らしい一日でした」
「先週負傷したことを考えれば、今日の自分のライディングには満足していますが、16ポイントのリードを持ってここに来たので、自分が何をすべきかはわかっていました。キアラ選手が1周目に転倒したのを見て、ヒート1で勝つ必要はないと思ったので、少し控えめに走って早めに仕事をすませ、最終戦では優勝してシーズンを締めくくることができました。残り1戦でタイトルを決められたのはよかったですね。競争は厳しいし、6レースしかないので、早く勝てば勝つほどいいですから」
「今年は本当に厳しい年でした。浮き沈みはありましたが、どんな状況でもベストを尽くし、ひとつひとつのポイントを獲得するために戦ってきました。同じチーム、同じブランドで3年連続して優勝できたことは最高の気分です。スティーブをはじめとするチームのみんな、そしてカワサキに心から感謝しています。スティーブとチーム、そしてカワサキに感謝しています! シーズンが終わって、すぐにでもニュージーランドに帰りたいと言いたいところですが、今は旅行するのが難しいので、あと数ヶ月はイギリス人かもしれません(笑)」
また、アマンディーヌ・フェルスタッペン選手は9MM Energy Drink BUD Racing Kawasakiにて、シリーズ最高の成績でシーズンを終えた。予選7位からスタートしたフェルスタッペン選手は、ヒート1ではターン1を2位で通過し、4位でゴールしてタイトル争いに加わった。ヒート2では第2コーナーではらんでしまったが、8位でチェッカーを受け、この日の5位とシリーズポイントランキング6位を確定した。
アマンディーヌ・フェルスタッペン選手のコメントは以下のとおり。
「第1レースは完璧でした。2番手から素晴らしいスタートを切り、レースのほとんどをコートニー選手と一緒に走りました。自分のラップタイムには満足していますが、最後の数周は体力的に厳しかったですね。2回目のスタートはあまりよくなかったし、気持ちが乗らなかったのですが、来シーズンに向けて何をすべきかがわかりました。アルコでのレースは初めてではありません。このコースはよく知っていますし、好きです。ここ数週間は連続したレースが多かったので、その状況に適応しなければなりませんでした」