ヨシムラ
2021スーパーバイク世界選手権の第10戦にて、ジョナサン・レイ選手はレース1で2位を獲得し、今季24回目の表彰台に上った。右手を骨折していたアレックス・ロウズ選手はレース1を9位で終えている。続くレース2ではレイ選手は5位、ロウズ選手は今後への影響を考えて欠場する決断を下す結果となった。
明るい日差しの中で開催されたスーパーバイク世界選手権第10戦は、土曜日に同じヘレス・サーキットで開催されたWorldSSP300レースで致命的な怪我を負って亡くなったディーン・ベルタ・ビニャーレス選手を偲び、レース前に1分間の黙祷を捧げることからスタートした。
また土曜日の事故の影響で、日曜日にスーパーバイク世界選手権は2レースが実施されることに変更。11時から20周のレース1、14時からはレース2がスタートとなった他、スーパーポールレースは土曜日に実施された予選のみとなり、決勝は中止となった。
スーパーポールレース予選では、ロウズ選手がカワサキのライダーとして初のポールポジションを獲得するまでに数千分の1秒の差があったものの、最終的にはレイ選手の1つ前の2位でフロントロウに並ぶことになっただけに中止は残念な結果となった。
第1レースでは、レイ選手とランキングトップのトプラック・ラズガトリオグル選手が長いバトルを繰り広げ、レイ選手は13周にわたってライバルをリードした。しかし、ラズガトリオグル選手が2回目のアタックでレイ選手を抜き、1.225秒差で優勝した。
ロウズ選手は、ブレーキングで他のライダーのアタックを抑えることができなかったが、その状況を最大限に利用して第1レースを9位で終えている。その後、考え抜いた末にレース2を欠場することになったが、来週のポルティマオでの次戦に向けて回復に専念することになった。
レース2では、レイ選手が再びトップ争いを展開したが、リヤのグリップが不足していたために順位を下げてしまい、しばらくは6位に留まっていたが、最終的にはさらに1つ順位を上げて5位でフィニッシュした。
シーズンランキングでは、ラズガトリオグル選手が449ポイント、レイ選手が429ポイントで2位。ロウズ選手は199ポイントで総合6位につけている。
日程を終えてカワサキレーシングチーム両ライダーからのコメントは以下のとおりだ。
ジョナサン・レイ選手
「日曜日は、とくにレース2はかなりハードワークでしたが、今夜は一日の仕事に満足しています。ここヘレスでは、レース1であれほどの力を発揮できるとは思っていませんでした。金曜日の最初のセッションでは、マシンとタイヤのフィーリングがとてもよかったので、レース1ではトプラック選手と最後の数ラップまで戦うことができました。これは自分にとってプラスになりました。レース2では気温が上昇し、バルセロナと同じようにソフトタイヤに問題が発生しました。グリップがほとんどなくて、マシンを止めてコーナーに入るのがとても難しかったですね。いつもなら週末にソフトタイヤを履いて、ラップタイムの差がもっと速くなるはずなんですが、でも今日はそれができませんでした。その理由を確認する必要があります」
アレックス・ロウズ選手
「レース1でいい結果を残せなかったのは、とても残念なことです。プラクティスでは、自分の手の強さに合わせて自分のスタイルを調整しながら走っていました。レース1では、スタート時に他のマシンに囲まれたとき、思うようにブレーキを遅らせることができませんでした。そのため、周囲の人たちに簡単にアタックされたり、抜かれたりしてしまいました。レース中盤、一人で思いどおりのライン取りをしていたときは、ペースも問題なかった。しかし、我々の目標である上位での戦いはできませんでした。今日はレース2のための短いターンオーバーがあり、レース1からの情報もあって、次のポルティマオでのレースまでに1週間の休息を取ることが最善の方法だと判断しました」