ヨシムラ
カワサキレーシングチーム(以下、KRT)は9月3日~5日に開催されるFIMスーパーバイク世界選手権第8戦で、見知ったサーキットでレースを行なうことになる。マニクール・サーキットは過去40回以上のスーパーバイク世界選手権レースが開催されており、各ライダーにとって馴染み深いサーキットとなっているからだ。
過去2回のスペイン大会では、モストとナバラという新たな舞台を経験することになったが、KRTのライダーたちは、フランスの中心に位置する全長4.411kmのマニクール・サーキットに挑戦する前に、過去の多くのデータを参考にしている。
前回のスペイン大会の後、チームはポルトガルのポルティマオで1日のテストを行ない、セットアップのオプションや将来のための新しいパーツを試した。このテストでは、とくに午後のセッションが暑いなかで行なわれたことから、アレックス選手とレイ選手は、今シーズン予定されているスーパーバイク世界選手権の13戦のうち、最新のレースがドライで暖かい気候であることを望んでいる。
昨シーズンはCOVID-19の配慮により全8戦に絞られたものの、マニクールでのレースは開催された。レイ選手は2020年にKRTから参戦したマニクールのレースで2勝し、1度だけ表彰台から外れたが、アレックス選手は同じ雨の週末に2度の表彰台を獲得している。レイ選手は長いスーパーバイク世界選手権キャリアの中で、マニクールのレースで8回の勝利を飾っている。
今シーズンのスーパーバイク世界選手権では、レイ選手はトプラック・ラズガトリオグル選手とポイントリーダーを争っており、各ライダーはこれまでに311ポイントを獲得している。レイ選手は2021年のシーズンを通して、これまでに8勝を挙げている。
今年、4回の表彰台に上っているアレックス選手は、現在の選手権ランキング4位を守るためにも、フランスではさらにトップ3フィニッシュをねらっている。
マニクール・サーキットのレイアウトは、全長4.411kmの中にあらゆる種類のコーナーが詰め込まれており、高速からの非常にハードなブレーキングエリアが3つあるほか、周回の序盤には高速の右コーナーがある。最終コーナーのリセは下り坂からのアプローチで、最後は右・左のヘアピンになっており、これまで多くのドラマとスーパーバイク世界選手権の興奮をもたらしてきた。
マニクールの週末が終わると、スーパーバイク世界選手権はイベリア半島での3連戦に向けて、週末に1回のフリー走行を行なう。最初のラウンドは、KRTのほとんど文字どおりのホームサーキットであるバルセロナ・カタルーニャで、9月17~19日に開催される。
レースにあたってKRTライダー2名の声明は以下のとおり。
ジョナサン・レイ選手
「ここ数戦、新しいサーキットでのレースが続いていたので、今回のマニクールにはとても興奮しています。思い出のあるサーキットですし、過去に何度も走っているので、データもたくさんあります。ありがたいことに、先週のポルティマオでのテストでは、1日中とてもいい天気に恵まれ、Ninja ZX-10RRのセットアップを進めることができました。マシンの状態もよく、とてもいい感触でした。マニクールのセットアップは、ポルティマオとよく似ています。ヘビーなブレーキングエリアが多いですが、我々のマシンにはぴったりです。選手権も残り6戦となって中間地点を過ぎて、次のレースが次々とやってきます。目標はもちろん優勝で、激しい戦いになるであろう今年の終盤戦に向けてポジティブなモメンタムを築くことです。でも、僕はワクワクしているし、やる気に満ち溢れていて、フランスに行くのが待ち遠しいですね」
アレックス・ロウズ選手
「昨年のマニクールでは、カワサキのマシンで雨の中の表彰台に立ったことがいい思い出になっています。昨年のマニクールではドライでの周回ができなかったので、今回はドライでNinja ZX-10RRを試したいと思っています。マニクールは、昔から行くのが好きなサーキットで、いつもうまくいっています。ここ数戦、ずっと言ってきましたが、マニクールでは表彰台を目指しています」