ヨシムラ
スーパーバイク世界選手権に参戦中のカワサキレーシングチームは、8月27日(金)にポルトガルのポルティマオ・サーキットで、ジョナサン・レイ選手とアレックス・ロウズ選手によるテストを実施した。
全長4.592kmの起伏に富んだアルガルヴェ地方の国際サーキットで行われる今回のテストは、悪天候に見舞われた2021年のプレシーズン中に予定されていた2日間のテストのキャリーオーバーとも言えるものとなった。
直近のスペインラウンドで2021年のスーパーバイク世界選手権シーズンの中間点を通過した後のポルトガルでのテストは、ライダーとテクニカルスタッフの双方にとって、とくに有益なものとなったことだろう。
ランキング首位のトプラック・ラズガトリオグル選手と同ポイントでポルティマオのテストに臨んだレイ選手は、シーズン最初の7ラウンドで19回の表彰台と8回の優勝を達成している。レイ選手は、この強烈なポルティマオのレイアウトに親近感を持っていることが、テストでは有利に働いたとのこと。今年の6月にアッセンで3連覇を達成するまで、ポーティマオは彼にとってもっとも成功したスーパーバイク世界選手権サーキットであり、これまでに12勝、20回の表彰台を獲得している。
ポルティマオでのテスト終了後、チームはフランスに移動し、9月3〜5日に開催されるマニクール・ラウンドに臨む。その後、フリーウィークエンドを挟んでイベリア半島での3レースを経るとヨーロッパでの戦いを終え、アルゼンチンとインドネシアでの最終戦を迎えることになる。
テストにあたっての各関係者のコメントは以下のとおりだ。
ジョナサン・レイ選手
「この時期にテストを行なうことは、自分たちの弱点を克服するためにも非常に重要です。電子制御の面では、レースウイーク中にステップアップするのは非常に難しいので、今回のテストでは電子制御と、レースウイーク前にポルトガルの新しいアスファルトを理解することに集中します。ポルティマオはとても好きなコースなので、たくさんの周回を重ねたいと思っています。自分のマシンやチームのよいフィーリングを見付けて、それを次のレースにつなげていくことが重要だと思います。1年でもっとも重要な時期です」
アレックス・ロウズ選手
「今回のテストでは、マシンのセットアップについていくつかのことを試すことができました。5週間で4つのレースが行なわれる重要な時期なので、コーナー進入時のフロントのフィーリングを改善したいと思います。この部分は、改善の余地があると思っています。また、今回のレースを機に、ライディングスタイルの改善にも取り組みたいと思います。今シーズンのほとんどの期間、とくにここ2、3ヶ月は肩の調子が悪くて困っていました。この問題を解決するために、ライディングポジションやライディングスタイルを改善していくつもりですし、長い目で見れば、それがいい結果につながると思います。私は上半身をよく使います。使いすぎではありませんが、かなり使います。だから、明日はたくさんのことに取り組まなければなりません。今回のテストは、我々にとってよいタイミングで行なわれました。前回のバルセロナでのテストでは、あまり多くの周回をこなすことができなかったが、今回のテストでは調子がよく、準備ができています。この忙しいシーズンに向けて、いい準備ができることを願っています」
ギム・ロダKRTチーム監督
「今年の冬のテストでは、何日も雨が降るという不運に見舞われました。テスト制限のルールが確定したことで、この問題を解決するための余裕が生まれ、年初に予定していた2日間のうち1日を8月末に変更することでポルティマオ・サーキットと合意しました。この時期は気温が高いためサーキットでの活動が少なくなりますが、私たちにとっては冬の間はあまり使わないサーキットでNinja ZX-10RRのセットアップを行なうことができます。今シーズンは、予定していたエンジン回転数を最終的に導入することができなかったこともあり、コンマ1秒でも速くすることが求められています。ポルティマオでのテストで何が可能なのか確認したいですね」