ヨシムラ
川崎重工は6月1日、「グループビジョン2030・進捗報告会」と題した説明会を行ない、そのなかで新会社「カワサキモータース株式会社」を10月1日に発足させると発表した。
この新会社は従来、川崎重工内の社内カンパニーだったモーターサイクル&エンジンカンパニーが独立し、川崎重工の子会社として位置付けられることになる。
説明会によるとカワサキのモーターサイクルを取り巻く環境についても解説が行なわれていて、それによるとモーターサイクル&カンパニー事業は好調で、グループ唯一のB to C事業としてKawasakiブランドを牽引し、国内251cc以上で3年連続トップシェアを達成。2017年からは「五感で楽しむ」をコンセプトにしたカワサキプラザを展開し、上質なライフスタイルを提案するなどの施策により、大型車販売80%増(国内市場401cc以上、プラザ販売網開始前比率 ※2016年度比)、20代のユーザー比率60%増(国内市場における新規顧客登録年齢層別比率 ※2017年比)も達成しているとのこと。
また北米市場ではオフロードモデルのKXシリーズやバギー車のTERYX KRX 1000が人気で、新型コロナウイルス感染症の状況下におけるレジャーとして拡がったが、現在も人気は衰えずに生産が追い付かない状況とのこと。今ではオフロードやレジャーが新たなライフスタイルとして定着しており、引き続き市場は拡大すると予想。新会社発足後も注力する市場として挙げられている。
そして新会社ではイタリアの高級バイクメーカーBimota(ビモータ)や台湾メーカーのKYMCO(キムコ)との関係強化を図り、多様なニーズに対応する動きを推進させるとのこと。ビモータとは再生支援のため二輪車メーカーを共同設立し、新機種開発を、キムコとはOEMによる開発・生産リソース活用により、米国オフロード四輪事業の成長加速を図るとのことだ。
さらに、脱炭素化社会への取り組みとして、社会環境の変化を考慮し、電動化やハイブリッド化、水素燃料対応の開発を加速するとともに、業界内での連携も強化。そのためのハイブリッドMC開発にも注力するとのこと。なおカワサキのハイブリットMCはモーター単独でも、ガソリンエンジン単独でも、モーター+ガソリンエンジンでも駆動するというコンセプトで開発が進められるとのことだ。そしてEVもハイブリットもカワサキならではの「乗る楽しさ」を追求しており、商品化に向けても検討を重ねていると説明があった。こちらの進捗にも注目したい。