ヨシムラ
全面的な見直しにより走破性や快適性を改善
カワサキはデュアルパーパスモデルKLR650を2021年初夏に、グローバル市場で発売することを発表した。
KLR650は1987年に登場して以来、35年に及ぶロングセラーモデルとなる。2008年に大幅なモデルチェンジが加わったが、今回の13年ぶりとなるモデルチェンジによってさらに各部が改良。
まず大きな変更点の一つがフューエルインジェクションの導入で、これにより燃費性能や高所、寒冷地での始動性を向上させている。
またパワー面ではそれだけではなく、エンジン内部にも手が加えられた。カムプロファイルの変更により中回転域でのパワーとトルクを向上させつつ、カムチェーンガイドの材質や形状も見直され、信頼性アップを図っている。またエキゾーストパイプも見直され、中回転域でのトルクアップも図られている。
ミッション関係も見直しが入り、クラッチレリーズベアリングがボールベアリングからスラストニードルベアリングに変更。3速ギヤのドッグとシフトフォークが見直され、4速と5速には新しい仕上げ処理がほどこされた。
バッテリーも開放型から密閉型となり、大幅な軽量化にも貢献している。
さらにはスターター、イグニッションコイルといった電装類も見直され、いずれも軽量化を実現させている。
車体面はリヤフレーム、スイングアーム、スイングアームピボットシャフトが刷新。フロント/リヤ両方のサスペンション設定も見直された。φ41mmフロントフォークは200㎜のサスペンショントラベルとし、リヤのユニトラックシステムは185㎜のサスペンショントラベルに設定。悪路での走破性を高めつつ底付きを防ぎ、かつハードブレーキングでのダイブの低減といった面に加えて、舗装路では軽快なハンドリングを提供できる性能が与えられた。
ロングツーリングでの快適性を高めるために大容量燃料タンク、ハンドルバーをはじめとした各部のラバーマウント化、よりリラックスできるライディングポジションの設定、キャリア部分の積載性の強化、ウインドシールド採用による防風性能、ヘッドライトの信頼性と耐久性を高めるLED化など、改良点は多岐にわたっている。そして昨今の多彩な電装アクセサリー追加にも対応できるよう大発電容量のジェネレーターを採用。これらの改良により、デュアルパーパスモデルとして非常に高い汎用性を追求している。
モデル展開はABS搭載モデルに加えて、パニアケースやフォグランプを標準装備するKLR650アドベンチャー、トップケースなどを装備したKLR650トラベラーのバリエーションモデルも設定されている。
気になる価格はKLR650が6,699ドル、KLR650 ABSが6,999ドル。KLR650トラベラーが7,399ドルで、KLR650アドベンチャーが7,999ドルと設定されている。現時点では日本導入のアナウンスはされていない。