ヨシムラ
最高46psに達するエンジンやフレームなど各部は新規開発のオンパレード!
最高出力は45ps/15,500rpmで、実用回転域は1万7,000rpmに達する超高回転型となる。過去の250㏄クラスに対する自主規制値上限で、現在の250㏄クラス最高となるハイパワーを達成するが、さらにラムエア加圧時には46psに至る。なお、先行公開されたインドレシア仕様は50psということだが、これは排ガス規制や加速騒音などの国ごとの規制との兼ね合いもあるのだろう。
エンジンにはさらにトラクションコントロールやスリッパー&アシストクラッチなど先進の電子制御が加わる。Ninja ZX-25R SEにはハイグレードな大排気量モデルが採用するオートシフターまで用意されているので、スポーツ性能はもちろん、荒れた路面や雨天時の走行時にも大きなアドバンテージが得られるはずだ。
気になる価格はというと、Ninja ZX-25Rは82万5,000円、Ninja ZX-25R SEとNinja ZX-25R SE KRT EDITIONが91万3,000円。当初の予想価格だと100万円を超えるのでは、という声が関係者にも多かったものの、かなりのプライスダウンに踏み切ったようだ。具体的にどこで当初想定よりコストダウンしたのかは定かではないが、おそらくは部品の共用化がより図られているのであろう。
初年度生産数は公開されていないが、近年のカワサキ250㏄クラスの販売実績や動向から推察するに、おそらく4〜5,000台と予想される。
新生並列4気筒250㏄エンジン採用のNinja ZX-25Rは今、どんな立ち位置になるのか?
並列4気筒250㏄フルカウルモデルとして、かつてラインナップに存在したZXR250は、もともとZXR750を出発点とするレーサーレプリカ路線において、ZXR750のダウンスケールモデルとして登場した。Ninja ZX-25Rはというと、各部の機構や構造の解説にひんぱんにNinja ZXシリーズの名称が挙げられているのだが、その点からしてもNinja ZXシリーズの血脈を受け継ぐ、スポーツ性能を最重視したモデルとして登場したことが明白だ。その意味では、登場に至る流れには似た要素を感じさせる。
ではZXR250との連続性や共通点はあるのかと言われると、Ninja ZX-25RはZXR250からの進化ではなく別系統から開発が進んだモデルというべきであり、直接的な連続性は見出しにくい。まったく別モノと言っていいだろう。
現在はレーサーレプリカブームではない。しかしスーパースポーツモデルは一定の人気を博しており、250㏄クラスにおいてはフルカウルモデルが高い人気を誇る。そんななか、スーパースポーツのDNAを色濃く受け継ぐNinja ZX-25Rがリリースされる。これまでにもレーサーレプリカブームの最盛期にゼファーというネイキッドを投入したり、単気筒が主軸となった250㏄クラスにフルカウルモデルを再投入したり、時代の最先端をつねに切り拓き、その後のシーンを形作ってきたのがカワサキだ。では、豪華な装備がおごられたNinja ZX-25Rは今の時代にどんな役割が与えられるのだろうか? 新モデルが登場したという以上に、いろんな期待が膨らんでくる。
なおエンジンやフレームなど各部の詳細解説などは次号更新分から随時、カワサキイチバンにアップ予定。また周辺情報も合わせて紹介していく予定だ。
スタイリング&アクションフォト
2021年モデル Ninja ZX-25Rシリーズの主なスペック
車名 | Ninja ZX-25R SE KRT EDITION | Ninja ZX-25R SE | Ninja ZX-25R | |
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マーケットコード | ZX250GMFNN | ZX250EMFNN | ||
型式 | 2BK-ZX250E | |||
全長x全幅x全高 | 1,980mm×750mm×1,110mm | |||
軸間距離 | 1,380mm | |||
最低地上高 | 125mm | |||
シート高 | 785mm | |||
キャスター/トレール | 24.2°/ 99mm | |||
エンジン種類/弁方式 | 水冷4ストローク並列4気筒/DOHC 4バルブ | |||
総排気量 | 249cm³ | |||
内径x行程/圧縮比 | 50.0mm×31.8mm/11.5:1 | |||
最高出力 | 33kW(45PS)/15,500rpm ラムエア加圧時:34kW(46PS)/15,500rpm |
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最大トルク | 21N・m(2.1kgf・m)/13,000rpm | |||
始動方式 | セルフスターター | |||
点火方式 | バッテリ&コイル(トランジスタ点火) | |||
潤滑方式 | ウェットサンプ | |||
エンジンオイル容量 | 2.9L | |||
燃料供給方式 | フューエルインジェクション | |||
トランスミッション形式 | 常噛6段リターン | |||
クラッチ形式 | 湿式多板 | |||
ギヤ・レシオ | 1速 | 2.928 (41/14) | ||
2速 | 2.055 (37/18) | |||
3速 | 1.619 (34/21) | |||
4速 | 1.333 (32/24) | |||
5速 | 1.153 (30/26) | |||
6速 | 1.037 (28/27) | |||
一次減速比 / 二次減速比 | 2.900(87/30)/3.571(50/14) | |||
フレーム形式 | トレリス | |||
懸架方式 | 前 | テレスコピック(倒立・インナーチューブ径 37mm) | ||
後 | スイングアーム(ホリゾンタルバックリンク) | |||
ホイールトラベル | 前 | 120mm | ||
後 | 116mm | |||
タイヤサイズ | 前 | 110/70R17M/C 54H | ||
後 | 150/60R17M/C 66H | |||
ホイールサイズ | 前 | 17M/C×MT3.50 | ||
後 | 17M/C×MT4.50 | |||
ブレーキ形式 | 前 | シングルディスク 310mm (外径) | ||
後 | シングルディスク 220mm (外径) | |||
ステアリングアングル (左/右) | 35°/ 35° | |||
車両重量 | 184kg | 183kg | ||
燃料タンク容量 | 15L | |||
乗車定員 | 2名 | |||
燃料消費率(km/L) | 24.0km/L(国土交通省届出値:60km/h・定地燃費値、2名乗車時) | |||
18.9km/L(WMTCモード値 クラス3-2、1名乗車時) | ||||
最小回転半径 | 2.6m | |||
カラー | ライムグリーン×エボニー(GN1) | メタリックスパークブラック×パールフラットスターダストホワイト(BK2) | メタリックスパークブラック(BK1) | |
発売予定日 | 2020年9月10日(木) | |||
メーカー希望小売価格 | 91万3,000円(税込み) | 82万5,000円(税込み) |