ヨシムラ
限られたパワーを有効に使う楽しみ
編集部を出発してすぐに高速道路に乗り、一路北を目指す。紅葉が美しい初秋を楽しみながら走ろうという魂胆である。まずはここでニンジャ250SLの高速走行性能をチェック。最初に感じたのは、想像以上にカウルの効果が大きいということ。スリムながら空気の流れを効率よく整流しライダーに直接当たる風の量を調整している。疲労はかなり抑えられそうだ。また前後サスペンションがよく動いて路面のギャップを吸収してくれ直進安定性も高い。快適な高速道路走行を提供してくれるのだ。また薄めかなと感じていたシートもこの段階では問題なし。けっこうイケるんじゃん、コイツ。ご機嫌なまま日光に入った。
高速道路を降りて市街地へと進んでいく。ここまで180kmあまりを走行したが、前傾ポジションによる疲労はなし。ハンドル位置は低いがガソリンタンクの前後長が短いので必要以上に腕に負担がかからない。むしろハンドルをやや上から押さえるような感じで車体コントロールを容易にしている。そしてそれが市街地でも有効に働く。混雑した道や細い裏道もスイスイ走ることができるのだ。また軽快なハンドリングはウインカーを出さずに突然進路変更をするクルマがいても即座に回避運動に入れるし、軽い車体はブレーキをかけた時の停止距離も短い。“思いどおりに走れる軽さ”は身を守るためにも有効だと実感した。
ライディングポジション
引き起こし
取りまわし
ミラー後方視認性
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横田 和彦
1968年6月生まれ。16歳で原付免許を取得。その後中型、限定解除へと進み50ccからリッターバイクまで数多く乗り継ぐ。現在もプライベートで街乗りやツーリングのほか、サーキット走行、草レース参戦を楽しんでいる。