ヨシムラ
カワサキのデュアルパーパスモデルとして息の長い活躍をしてきたKLEシリーズの後継として、2007年に登場したVersys 650。さらに2012年には1,000cm3エンジンモデルのVersys 1000も加わり、昨今注目を浴びているアドベンチャーモデルカテゴリーのラインナップを形成するファミリーが“ヴェルシス”シリーズである。そして今回、新たにその小排気量クラスを担うニューモデルとして「Versys-X 300」が、イタリア・ミラノで開催された国際モーターサイクルショー・EICMA2016にてワールドプレミアとして発表された。
発表されたのは、車名に“300”とあるように、エンジン排気量が296cm3のモデルだが、川崎重工のサイトにも掲載されているとおり、249cm3エンジンを搭載した“Versys-X 250”も同時にラインナップしている。さらにバリエーションモデルも存在しており、アクセサリー類を装着していないVersys-Xと、長距離ツーリングのためのオプション装備を供えたVersys-X Tourerがそれぞれ用意されている。
カワサキが誇るアドベンチャーシリーズ“Versys”の名を冠したこのモデルは、シリーズのコンセプトである“Any road, any time”を継承した性能と装備が与えられており、走行条件を問わないオールマイティな走破性と長距離ツーリングでの快適性を重視したモデルとなっている。
搭載されているエンジンは、Ninja 250やZ250で採用されている、水冷4ストロークDOHC 4バルブ 並列2気筒エンジンで、Versys-Xのキャラクターに合わせたチューニングを施されているとのこと。具体的にはスムーズなパワー特性と低速回転域の粘り強さ、そして極低速での安定性を重視したセッティングとなっているほか、アシスト&スリッパークラッチおよびバランサーを装備することで、低速から高速にいたるまでのあらゆる走行シーンで、常に快適なライディングの実現を追求している。
フレームは新設計のスチール製バックボーンフレームを採用。エンジンをストレスメンバーとすることで、高剛性&軽量化を実現し、タンデム走行や荷物の積載にももちろん対応する強度を確保している。また、サスペンションは、フロントがインナーチューブ径41mmの正立フォークを採用。リヤはボトムリンク式ユニトラックサスペンションとなっており、兄弟車のVersys 650やVersys 1000と比べ、オフロード走行をさらに意識したサスペンションストロークやセッティングが施されている。前後タイヤは、フロント19インチ・リヤ17インチのスポークホイールに、チューブタイプのマルチパーパスタイヤ(IRC TIRE / TRAIL WINNER GP-210)を装着。また欧州仕様はABSが標準装備され、ABSユニットにはBOSH製の最新モデル「ABS10」を採用しているとのこと。
装備面では、昨今発表されたNinja 650やNinja 1000にも採用されている、新設計のインストゥルメントパネルをこのVersys-Xも採用しており、アナログ式タコメーターを中央に配置し、左側に各種インジケーター、右側にデジタル式ディスプレイ(ギヤポジションインジケーター付)がレイアウトされている。ディスプレイには“エコライディングインジケーター”も装備され、点灯を目安とした走行と17リットルのガソリンタンク容量により航続距離400kmも実現可能とのこと。そのほか、大ぶりのアッパーカウルとウインドシールドは、いやでもそのアドベンチャースタイルをアピールするポイントとなっており、ヴェルシスシリーズのスタイルを踏襲した大胆なボディワークもうまく取り入れられ、クラスを超えた存在感を醸し出している。
ライディングポジションは、ヴェルシスシリーズのコンセプトに沿い、ライダーの快適性を重視したアップライトなポジションが設定されており、低いシート高と前端を絞ったシート形状により優れた足つき性を実現。ワイドなハンドルバーとともに幅広い層のライダーが安心して乗車できる設計としているとのこと。また、幅の広いタンデムシートと人間工学に基づいて設計されたグラブバーとで、タンデムライダーの快適性も追求しているほか、タンデムシート上面からリヤキャリアにかけての部分をフラットにすることで、荷物の積載性も考慮している。
ほか長距離ツーリング仕様のVersys-X Tourerには、長距離走行をさらに快適にするアクセサリー類が多数装着されており、エンジンガードやハードパニアケース、LEDフォグランプ、12Vソケット、ハンドガード、センタースタンドなどが標準装備となっている。
名前の「VERSYS」は、ラテン語で「頂点」を意味する「VERTEX」と、その頂点を至らしめることを可能とする「SYSTEM」を組み合わせたカワサキの造語である。残念ながら今のところ日本導入のアナウンスはされていないが、ぜひともその走りを体感してみたいパッケージとなっている。
2017年モデル Versys-X 250 ABS (KLE250D)※欧州一般仕様
2017年モデル Versys-X 250 ABS (KLE250B)※インドネシア仕様
オフィシャルビデオ
スペック一覧
車名(通称名) | Versys-X 300 | |
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マーケットコード | KLE300C/D/E | |
全長x全幅x全高 | TBC | |
軸間距離 | TBC | |
最低地上高 | TBC | |
シート高 | TBC | |
トレール | TBC | |
エンジン種類/弁方式 | 水冷4ストローク並列2気筒/DOHC 4バルブ | |
総排気量 | 296cm³ | |
内径x行程/圧縮比 | 62.0mm×49.0mm/10.6:1 | |
最高出力 | TBC | |
最大トルク | TBC | |
始動方式 | セルフスターター | |
点火方式 | デジタル | |
潤滑方式 | ウェットサンプ | |
エンジンオイル容量 | TBC | |
燃料供給方式 | フューエルインジェクション(KEIHIN φ32mm×2) デュアルスロットルバルブ搭載 |
|
トランスミッション形式 | 常噛6段リターン | |
クラッチ形式 | 湿式多板 | |
ギヤ・レシオ | 1速 | TBC |
2速 | TBC | |
3速 | TBC | |
4速 | TBC | |
5速 | TBC | |
6速 | TBC | |
一次減速比 / 二次減速比 | TBC | |
フレーム形式 | 高張力鋼製バックボーン | |
懸架方式 | 前 | テレスコピック(正立・インナーチューブ径41mm) |
後 | ボトムリンクユニトラック(ガスショック) | |
ホイールトラベル | 前 | TBC |
後 | TBC | |
タイヤサイズ | 前 | 100/90-19M/C 57S |
後 | 130/80-17M/C 65S | |
ブレーキ形式 | 前 | シングルディスク(外径290mm・ペタルディスク) キャリパー:デュアルピストン |
後 | シングルディスク(外径220mm・ペタルディスク) キャリパー:デュアルピストン |
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ステアリングアングル (左/右) | 27°/ 27° | |
車両重量 | TBC | |
燃料タンク容量 | 17L | |
乗車定員 | 2名 | |
カラー | キャンディライムグリーン、メタリックグラファイトグレー |
※TBC:to be confirmed
※諸元はVersys-X 300 欧州仕様のみ掲載