ヨシムラ
先ごろ2017年モデルの発表が済んだばかりのNinja ZX-10Rだが、このたびそのバリエーションモデルとなる“Ninja ZX-10RR”が、ドイツ・ケルンで開催中のインターモト2016で発表されている。
発表されたのは、欧州一般仕様でカラーリングは2016年モデルの“KRT Winter Test Edition”と同様のフラットエボニー1色となる。グラフィックは、実際にカワサキレーシングチームが冬季テストで使用するおなじみのものとなっており、スクリーンとシングルシートカウルに付けられたデカールは雪の結晶の中に漢字の“冬”の文字が鎮座するインパクトのあるデザインだ。
そして車両名だが、見てのとおりRがふたつ。RRといえば、過去のカワサキでもZX-7RRやZX-6RRなどレーサーベースといった意味合いが強いモデルである。もちろんこのRRも例外ではなく、リリースでは
ストックの状態で世界各国のナショナル選手権で勝利することを目標に開発されました。カワサキのテストコース、オートポリスにおけるテストライダーのラップタイムはスタンダードモデル比で1〜2秒短縮。サーキットでの速さをひたすらに追求しています。
と謳っており、それはスタンダードモデルから変更されている点を見ても十分想像できるパフォーマンスと言えよう。
スタンダードモデルからの変更点は以下のとおり(リリースより抜粋・修正)
- タペットにDLC(ダイヤモンド・ライク・カーボン)コーティングを施してメカニカルロスを軽減。サーキットでの走行を見据えた装備で、同時にエンジンの慣らし時間の短縮にも貢献
- クランクシャフトのメインジャーナル部のベアリングを強化。サーキット走行を考慮し、レブリミットの変更を見据えた装備に
- シリンダー間の圧力差を軽減する通風孔を小径化しつつ、クランクケースの厚みを増すことでクランクケースを高剛性化。サーキット走行時の信頼性とパフォーマンス向上に貢献
- マルケジーニ社と共同開発した7本スポークのアルミ製鍛造ホイールが俊敏なハンドリングを実現。また剛性バランスを見直し、ハブ部分に重量を集中させる設計とすることで慣性モーメントを低減。切削仕上げ後にアルマイト処理を施すことでハイクオリティな印象に
- タイヤはピレリ製ディアブロ・スーパーコルサSPを採用
- サーキット走行を前提にしたオリジナルのサスペンションセッティング
- KQSはシフトアップに加えて、シフトダウンが可能に
- シングルシート化に伴い、左側のタンデムステップ用ステーは廃止。右側は軽量なサイレンサーステーへと変更したことで、約1kgの軽量化を実現
- レーシーなシングルシートカバーを標準装備。”KRT Winter Test Edition”と同じ、雪の結晶をあしらったデカールをシートカバーとスクリーンに採用
- パルサーカバーには”RR”のロゴを採用。
- イグニッションキーにも”RR”のロゴを採用
なお、国内販売もブライトからリリースされており、2017年6月上旬発売予定とのこと(販売価格未定)。台数限定の取扱いになること必至のモデルなので、気になる人はぜひ最寄りの正規取扱店まで問い合わせをオススメする。