ヨシムラ
1996年にZRX1100が誕生してから13年の歳月を経て、さらなる進化を遂げたZRX。スタイルは先代の匂いを残しつつも洗練され、性能面においても熟成を深めている。そんな新たなジャパニーズスタンダードネイキッドがZRX1200 DAEGだ。
国内での走行性能と利便性を第一に考えて熟成を図る
2001年、ZRX1100から排気量をアップし、2008年までラインナップされてきたZRX1200R。ZRX1100の時代から、街乗りからワインディング、そして容量の大きな収納スペースと抜群の積載性で、ツーリングへの適応力の高いネイキッドとして、根強い人気を獲得。さらにカスタムベース車として使用するユーザーも多く、幅広い支持を受けていた。
そのZRX1200Rが2009年式で新しく生まれ変わった。モデル名はZRX1200 DAEG。新しくモデル名として採用された“DAEG”は“ダエグ”と読み、ベーシックな流れを汲みながら、進化・飛躍したという意味が込められている。このことからも言えるように、ZRX1200 DAEGは、走行性能やデザイン、そしてテイストは、従来のZRXシリーズの流れながら全般的に進化させたモデルとなっている。
また、ZRX1200Rは国内仕様と輸出仕様がラインナップされていたが、ZRX1200 DAEGは国内専用モデルとして発売された。そのため、ハンドルのグリップ位置をライダー側に近づけるなど、日本人の体形に合わせたコンパクトなポジションへと変更している。
細部に渡り熟成。エンジンはZRX1200Rに比べ15psアップ
これまでZRXシリーズといえば、1100から1200へ排気量を変更したとき以外は、極端に大きなモデルチェンジは行なわなかった。しかし、今回は細部にまでわたり変更されているのだ。パワーユニットについて触れると、ZRX1200Rがキャブレターなのに対し、ZRX1200 DAEGではフューエルインジェクションを採用。近年では、インジェクションの採用というと、排ガス規制に対応するためといった印象を受けるかもしれない。しかし、ZRX1200 DAEGの場合は、排ガス規制に対応させながらも、しっかりとパフォーマンスをアップさせてきたのだ。その結果、最高出力は、ZRX1200Rの国内仕様が95psなのに対し、ZRX1200 DAEGは110psを発揮。15psも上げてきているのだ。また、カムプロファイル、バルブスプリング、ロッカーアームを仕様変更しフリクションロスを低減。低中速域での性能向上のため、吸気バルブ径を変更するなど、全回転域にわたって、レスポンスやパワーフィールの向上を図った。
車体に関しても、フロントフォークのオフセット量を28mmから30mmに、トレール値を108mmから100mmへと変更したり、フレームからブレーキ、さらにはホイールやサスペンションまで、走行性能向上のために細かな仕様変更が行なわれているのだ。
それ以外にもETC車載器をオプション設定するなど国内を意識した作りとなる。まさにZRX1200 DAEGは、ジャパニーズスタンダードネイキッドと呼ぶにふさわしいモデルといえる。
ZRX1200 DAEG ライディングポジション
ZRX1200 DAEG(2009年モデル)
ZRX1200 DAEGが発売になった2009年(平成21年)の出来事
第44代アメリカ大統領にバラク・オバマ就任、ノーベル平和賞も受賞/「おくりびと」アカデミー外国語映画賞受賞/第2回WBC日本連覇/新型インフルエンザが発症、世界中で猛威をふるう/アメリカ自動車大手GMが連邦破産法申請/マイケル・ジャクソン死去/アジアや日本などで皆既日食観測/第45回衆議院選挙にて民主党が第一党に躍進、政権交代となる/93代首相に鳩山由起夫が就任/マイクロソフトWindows7発売
マシンギャラリー
「ZRX1200 DAEG」のスペック一覧
全長×全幅×全高 | 2,150×770×1,155(mm) |
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軸間距離 | 1,470mm |
車重(整備) | 246kg |
エンジン形式 | 水冷4ストロークDOHC4バルブ並列4気筒 |
エンジン排気量 | 1,164cc |
ボア×ストローク | 79.0×59.4(mm) |
圧縮比 | 10.1 |
最高出力 | 81kW(110ps)/8,000rpm |
最大トルク | 107N・m(10.9kgf・m)/6,000rpm |
燃料供給方式 | フューエルインジェクション |
変速機形式 | 常噛6段リターン |
タイヤサイズ | (F)120/70-17 (R)180/55-17 |
燃料タンク容量 | 18ℓ |