ヨシムラ
街乗りからワインディングまで、誰でも楽しめる最良のオールラウンダーモデル
ZRX1200Rの後継機種として2009年に発売が開始されてから3年が経過したZRX1200ダエグ(以下、ダエグ)。今ではオーナーズクラブも設立され、現代のZRXシリーズとしてすっかり定着した感がある。ダエグのルーツともいえるZRX1100が発売開始になったのは97年のことで、高い走行性能を備えたネイキッドというのがウリだった。ただし現在ではその役割をZ1000にゆずり、ダエグは、ゼファーやZRXといったカワサキ古来のスタイリングを受け継ぎ、Z1000までとはいかないまでもスポーツ走行が楽しめるネイキッドといった位置づけとなっている。
ダエグを一言で表すなら“普通”という言葉がよく似合う。走りに関してもポジションに関しても、とにかく違和感がないのだ。たとえばポジション。自分のバイクとは車種が異なるバイクに乗ると、跨った瞬間は大抵がポジションに違和感を覚えるもの。しかしダエグは、まるで自分のバイクのように体がなじむ。という意味で普通ということ。
ワインディングを走ったときも同じで、極端に軽快感があるとか、ズッシリと安定感があるというわけではなく、意図した分だけバイクが反応する。エンジンに関しても、ドッカンパワーというわけでもなく、非力なわけでもない。ライダーのいうことをよく聞いてくれる。街中の裏路地を右往左往するときなど、足を着いても着かなくても、Uターンや旋回などがスムーズに行なえる。
高次元で融合する“普通”がダエグの魅力
ここまで淡々とダエグの性能について語ってきたが、ダエグのすごいよころは、以上のような性能がビッグバイクで実現できているということだ。ミニバイクなら裏路地をキビキビ走ることができるのは当たり前だし、ミドルクラス以下ならある程度は扱いやすいエンジンというのも当たり前。でもダエグは1,200ccのビッグバイクなのだ。この大排気量車ながら、これだけライダーになじんだ性能というのがすごい。さらにもう一つ。ツーリングでいえばロングツーリングの部類に入るであろう2日間で1,000kmを走行しても、体力的な疲れはあるものの、肩や腕、腰といった体に痛みや張りをまったく感じなかったということ。
ツーリングから帰ってきて疲労困憊でもうこれで十分…、というわけではなく、今度はどこに行ってみようかなとか、また乗りたいと思えることが、バイクライフを長く楽しめることにつながって行くのではなかろうか。その点、ダエグの場合、また乗ってみたい…、まだまだ楽しみたい…、と素直に思えるバイクであり、バイクライフを楽しくすごせるモデルといえる。
排気音
燃費
市街地 | 14.5km/L |
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ワインディング | 16.1km/L |
高速道路 | 19.8km/L |
ガソリン満タン時航続距離 | 258.6km/L |
※数値は編集部による実測値
詳細
スペック一覧
全長×全幅×全高 | 2,150×770×1,155(mm) |
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軸間距離 | 1,470mm |
シート高 | 795mm |
車両重量 | 246kg |
エンジン | 水冷4ストロークDOHC 4バルブ並列4気筒・1,164cm3 |
ボア×ストローク | 79.0×59.4(mm) |
最高出力 | 81kw(110ps)/8,000rpm |
最大トルク | 107N・m(10.9kgf・m)/6,000rpm |
燃料タンク容量 | 18L |
タイヤサイズ | (F)120/70-17 (R)180/55-17 |
価格 | 114万円 |
※インプレッションに使用した車両は2009年モデルです