細部にはこだわりの装備。そのすべては安全と楽しさのため
ツアラーとして夏の早朝や雨なども含めてフルシーズンにわたって重宝するであろう装備がグリップヒーター。左カウル正面にあるダイヤルで温度を調整する
従来タンク上面に設置されていた収納ボックスは、タンクバッグ装着対策として新型ではカウル左側上面にシフトした。フタは電磁ロック式なので盗難に対しても心強い
収納スペースが十分確保されているツアラーでもタンクバッグの利便性は活かしたい。マップほか使用頻度の高いものを入れるためだ。バッグ取り付け用のフックを新たにセット
欧州でとりわけきびしいのがヘッドライトの光軸調整。荷物満載ほか、タンデム走行などリヤ荷重アップによる姿勢変化に対応するため光軸調整は簡単にできなければならない
K-ACT ABS(2モードが選べるブレーキ系)、KTRC(トラクションコントロール)、ウインドスクリーンスイッチを備えた左側のハンドルスイッチ。それぞれ扱いやすく操作感は上々だ
通常、パッシングライトのスイッチに相当する位置にはメーターパネルにあるマルチインフォメーションパネルの表示切り替えスイッチをセット。走行中でも安全に操作ができる機能だ
2連メーターの上に外気温計、電圧計ほかタイヤ空気圧値とその異常警告灯、高燃費状態で点灯する希薄燃焼マップモードなど多くの情報を表示。超高速ツアラーならではの豪華装備だ
電動ウインドスクリーンは高さを70㎜延長し、上端の幅も広げて防風効果をアップ。乱流を低減する形状としたほかスクリーンの高さを任意にメモリー設定できるようにもなっている
新作のサイドカウルは低速走行や渋滞時に熱風がヒザに当たらぬように形状を大きく変更。アンダーカウルも防風効果アップの新形状としている。新作カウルにより軽快な外観にも貢献
排気系には遮熱板を設定して停車時に上がってくるエキゾーストパイプからの熱に対して快適性を大幅にアップ。とくに高温多湿で渋滞が多い日本の道にありがたい装備だ
ラジアルマウントキャリパーとペタルディスクを装備する倒立型フロントフォーク。スポーティ、ツーリングの2モード切り替えのK-ACT ABSはバッテリー電圧低下対応モードも備える徹底ぶり
KTRCはエンジンのECUとABSシステムユニット、そしてABSセンサーを使用して作動するため、追加の専用センサーを使用していない。そうすることで余分な重量増を抑えている
柏 秀樹
自身が主催するライディングスクール、KRSを主な活動としつつ、雑誌やDVDなどのメディアで、ライディングテクニック講座や車両インプレッションを行なっている。KRSはオンロードからオフロードまで、週2〜3回のペースで開催されている。
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